中小企業の光明となるか、金融円滑化相談窓口、業務を開始
2013/02/25 事業再生・倒産, 民法・商法, その他

事案の概要
金融庁が全国の財務局・財務事務所に設けた「中小企業等金融円滑化相談窓口」が、25日業務を開始した。
この窓口は、1月11日に閣議決定された「日本経済再生に向けた緊急経済対策」に基づき設置されたもの。中小企業金融円滑化法が3月末で期限切れとなることを受け、資金繰りに苦しむ中小企業からの質問・相談に対応する。場合によっては、経済産業局・信用保証協会といった専門機関の紹介、貸し手の金融機関に対する事実確認・検査等も行う。
中小企業金融円滑化法は、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」の略称である。金融モラトリアム法という通称でも呼ばれる。中小企業や住宅ローンの債務者が金融機関に返済負担の軽減を申し入れた際に、できる限り条件の変更等を行うよう努めること等を定めている。平成20年秋のリーマンショックに始まる金融危機・不況による中小企業等の資金繰り悪化への対応策として、平成21年12月に約2年間の時限立法として施行された。しかし、期限を迎えても不況は変わらず、更に平成23年3月11日の東日本大震災・その後の円高等の影響もあって、結局、今年3月末まで延長された。
コメント
本相談窓口には、中小企業金融円滑化法終了が日本経済に及ぼす影響に対する緩衝材としての役割が求められている。しかし、同法により返済を猶予された中小企業の債務は80兆円を上回ると言われており、終了後には倒産が相次ぐとの見方もある。質問・相談への対応という本窓口の業務は抜本的な解決になるわけではないため、効果のほどは心許ない。
ただ、同法が施行されてきた約4年の間に培われたものもある。国は、信用保証協会の体制を改革する等して、支援制度を整備した。金融機関は、支払猶予後の回収不能を避けるため中小企業に対するコンサルティング機能を強化した。そのようにして蓄積されたノウハウが本窓口を通して有効活用されれば、本窓口の効果も大きくなる。
アベノミクスにより株価上昇・円高是正の兆しは見えているが、それが景気を回復させ中小企業がその恩恵に授かるまでにはまだ時間が必要だろう。経営の厳しい中小企業が生き残るためには、本窓口を含め、あらゆる手段を利用する事が必要のように思われる。
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