海外展開する企業のリスク管理、広報対応
2013/02/01 海外進出, 危機管理, 民法・商法, その他

事案の概要
アルジェリア東部で起きた人質事件を受け、日揮を含め国内プラント各社はリスク管理体制の徹底に動き始めた。
各社は1960年代からいち早く海外に進出。アフリカに加えアジア、中東などの資源開発を商機に成長を遂げてきた。
リスク管理には日本企業の中でも「一日の長」があるものの、今回の事件の衝撃は大きい。
事件の行方によっては、新たなリスク対応策の検討を迫られる可能性もある。
今回の事件を受け東洋エンジニアリングは世界各地の現場に向け、リスク回避ルールの順守を緊急通達した。
もともとプラント各社は有望案件受注のため、政情が不安定な危険地域でも事業展開するケースが多い。
このため、世界各国のリスク管理を統括する部署をそれぞれ本社に設置。
営業部隊がつかんでくる案件のさまざまリスクを多面的に精査する体制を敷いてきた。
コメント
「日揮」を含め国内プラント各社は海外の危機管理会社とも契約し、治安の悪い地域での事業については専門企業のノウハウも取り入れて対策を練ってきた。
しかし、いつどこで起こるか読めない国際テロは対応がとても難しいものである。
企業は法務の一環として、現地政府と緊密に連携をとりながら厳しいリスク基準を導入するなど管理体制の見直しが必要になってきそうである。
ただ、どのような管理体制の中でも事件発生リスクを0にすることは難しい。
そのため、企業としては事件発生後における対応リスク(広報のリスク等)も併行して検討する必要があるだろう。
今回のテロ事件において、「日揮」の遠藤毅広報・IR部長は、連日マスコミからの質疑に冷静に対応した。
その結果、不要な憶測を呼ばず、企業としての誠実な広報活動を行い、企業イメージを損なうことはなかった。
むしろ、好感さえ呼んだといえる。
この種の事件では、情報が極めて少なく、その情報の真偽さえ判断が難しいものがある。
一方で、社会的な関心を背景として、マスコミから多くの質問にさらされることになるため、広報担当の技量が求められる。
今回のテロ事件の犠牲は極めて残念な結果であったが、広報対応を見る限り、「日揮」が、これまでに危機管理広報のシミュレーションを長く実施してきたことが窺われた。
これは他の企業にとって、見本とすべき対応であったといえる。
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