商標になるものとは?
2012/11/26 知財・ライセンス, 商標関連, 商標法, その他
概要
特許庁は商標に音や色、動きなどを加える法改正案を来年の国会に提出する方針である。
これまで、日本では、商標は「文字、図形、記号、立体的形状または、これらと色彩との結合」(商標法2条1項)しか商標として認めていなかった。しかし、商標の本質的機能は商標やサービスの出所を表示し、企業の商品やサービスを顧客に印象づけるところにある。そうであるとすれば、商標は商標法2条1項に定めるものに限られないとの見解もありうる。実際に、音の商標(久光製薬やインテル)や色彩だけの商標(「ウィスカス」ブランド)、香りの商標(ユニコーン・プロダクツ社の矢に用いられているビールの強い香り)などを認めている国(アメリカ)もある。
日本でも、政府が環太平洋経済連携協定への参加を検討し始めたことから、今年に入り、産業構造審議会の商標制度小委員会の作業部会で商標法改正の検討を本格化し、法改正に道筋をつけた。今回の法改正のポイントは、「動き、ホログラム、輪郭の無い商標、位置、音」の5種類を商標として認める点である。「匂い、触感、味」については今回は見送りとなった。というのも、これらのものは権利の範囲を確定することが難しいからだ。
日本産業界では、商標登録に関して積極的な企業はまだ少ないが、欧米の企業では音や色などの商標を登録して保護していくことに積極的な企業が多い。
コメント
商標権は一定の者に商標の使用を独占させる強い権利である以上、何が商標にあたるか、そしてどこまでが類似していると言えるのか、その判断がポイントになる。その点、新しい商標では、特定するのも難しいだろうし、変質のおそれもあるので実際に登録するのも簡単ではなさそうだ。
それでも、商標というのは、企業が市場で自社のブランド価値を高めるきっかけになるものであると思うので、社会で受け入れられやすいシステム作りが急務だと感じる。
関連コンテンツ
新着情報
- まとめ
- 労働者派遣契約 まとめ2024.2.14
- 企業が外部の人間を使って業務を行おうとする場合、業務委託と人材派遣会社からの派遣労働者を使うこ...
- 弁護士
- 野口 大弁護士
- 野口&パートナーズ法律事務所
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満1-2-5 大阪JAビル12階
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 南川 克博弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒810-0801
福岡県福岡市博多区中洲5丁目3−8 アクア博多 5階
- 解説動画
- 大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- セミナー
- ジゼル・サッピャゾバ/Gyuzel SAPYAZOVA(Prighter Group Legal Counsel)
- 白井 薫平(Prighter Group)
- 阿久津 透 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/東京弁護士会所属)
- 【オンライン】AIに関する法規制:EUのAI Actや日本のガイドラインを踏まえた今後の対応の在り方
- 2024/04/10
- 17:00~18:00
- ニュース
- 物流業界でAIやドローンによる実証実験/2024年問題と労働法制2024.3.19
- 深刻な人手不足が懸念される物流業界の「2024年問題」に対応すべく、AIやドローンでの点検作...