SMBC日興証券が増資インサイダー問題に関連して、法人情報の管理体制に関する業務改善計画を提出
2012/08/07 コンプライアンス, 民法・商法, 金融・証券・保険

事案の概要
役員・従業員が公表前の公募増資情報を使って投資家に新株の購入を勧誘していた増資インサイダー問題について、SMBC日興証券は、法人情報の管理体制に関する報告書を金融庁に提出したと発表した。報告書には、法人情報に関する法令や社内ルールの違反に対する厳罰化等の業務改善計画が盛り込まれている。SMBC日興証券は、社内規程として「内部者取引管理規程」を整備し法人情報を利用したインサイダー取引の未然防止を図っており、法人部門とその他の部門との間に組織的・物理的な障壁(いわゆる「チャイニーズ・ウォール」)を設け、コンプライアンス部門のモニタリング、内部監査部門の監査も行っていたが、今回の業務改善計画は、さらなる改善・強化を図ることを目的としている。
業務改善計画の具体的な内容は次の通り。
①従業員がインサイダー取引に関与したことでSMBC日興証券が損害を被った場合、当該従業員に損害賠償請求する旨の明文化
②業務上必要のない法人関係情報を従業員が取得しようとする行為の禁止
③固定電話の録音(現在実施中)に加え、業務用の携帯電話に録音機能を導入
④中途入社役員・従業員に対するフォローアップ研修の強化
⑤証券業務未経験の中途入社役員・従業員は、原則入社3か月以上は法人関係の情報を取り扱わない部署に配属
⑥内部監査部門による役員に対する監査の実施(従業員対象に行っていたものを役員にも拡大)
金融庁は増資インサイダー問題を受け、証券12社に法人情報の管理態勢の点検を命令おり、SMBC日興証券の報告書はこれに応えた形のものである。
コメント
役員の関与したTOB(株式公開買付け)をめぐるインサイダー事件も発覚しており、法人部門とその他の部門の間に設ける「チャイニーズ・ウォール」がきちんと機能していなかったと思われる。役員等への監査を強化することも今回の計画に盛り込まれており、改善を期待したい。
関連ニュース
関連コンテンツ
新着情報

- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間

- ニュース
- 「丸住製紙」が計画案の提出期限を延長、民事再生手続きについて2025.6.16
- NEW
- 経営再建に向け民事再生手続きを進めている「丸住製紙」(四国中央市)は、返済計画などを記載した再...

- セミナー
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
- 登島さんとぶっちゃけトーク!法務懇談会 ~第16回~
- 終了
- 2025/06/04
- 19:00~21:00
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード

- まとめ
- 株主総会の手続き まとめ2024.4.18
- どの企業でも毎年事業年度終了後の一定期間内に定時株主総会を招集することが求められております。...

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分
- 弁護士
- 原内 直哉弁護士
- インテンス法律事務所
- 〒162-0814
東京都新宿区新小川町4番7号アオヤギビル3階

- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード