NEC、100億所得隠し
2012/06/25 税務法務, 租税法, 税法, メーカー
事案の概要
NECが2010年3月期までの3年間に、東京国税局から100億円超の所得隠しを指摘されていたことがわかった。
海外での携帯電話事業から撤退する際、出資先の香港企業に支払った補償金の上乗せ分が、経費とは認められない交際費と認定された。同社は修正申告したが、過去の赤字分と相殺され、追徴課税はなかった。
関係者によると、NECは02年、香港の多国籍企業の携帯電話会社2社に当時のレートで約90億円を出資。端末の販売と基地局整備などで両社の事業を支援し、シェア拡大を図る予定だった。
しかし、端末の販売が不振に陥るなど業績が伸び悩んだため、08年7月に出資を引き揚げた。その際、NECは契約に基づき、多国籍企業側に補償金を支払ったが、契約で定められた金額に100億円超を上乗せして支払い、その分も経費に計上していた。
同国税局は、契約を超える支払いは、対価性のない交際費にあたると認定。仮装・隠蔽を伴う所得隠しと指摘したという。
コメント
NECとしは見解の相違があったため、税務当局の判断に従って処理したと述べたが、ブランドイメージを重んじる企業としては、大きな痛手を被ったことだろう。企業としても、自社のブランドイメージを汚さないため、税務関連に関するコンプライアンスに予算を投じることが考えられ、このような人材需要が生じるのではないかと思われる。
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