消費者庁、取引デジタルプラットフォームに関するパブリックコメントの募集結果を公表
2022/03/10 コンプライアンス, 消費者契約法, 法改正, IT

はじめに
消費者庁消費者政策課は、「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律施行令(案)」について、意見募集の結果公示を行いました。公募は2021年12月17日に行われ、今回2022年2月24日に内容が公示されています。今回は、関連する法律に関する概要とパブリックコメントの内容について見ていきましょう。
取引デジタルプラットフォームとは
取引デジタルプラットフォームとは、利用者同士がオンライン上で取引を行う場のことです。一般的に、取引デジタルプラットフォームは決済などの要素も含んでおり、プラットフォーム機能の1つと見なされます。近年ではこれらのプラットフォームを利用する人々が急激に増えたことに伴い、さまざまな法整備等が必要になってきました。2022年5月27日には、これらのプラットフォーム上での取引の透明性を図るために「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が成立しています。また、消費者庁でも「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」が12回に渡り開催されてきました。
経済産業省|デジタルプラットフォーム
パブリックコメントの対象
今回のパブリックコメントの対象は以下の通りです。
・取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律施行令(案)
・同法律施行規則(案)
・同法第3条第3項に基づき取引デジタルプラットフォーム提供者が行う措置に関して、その適切かつ有効な実施に資するために必要な指針(案)
意見の募集はインターネットの電子政府の総合窓口(e-Gov)にて、意見提出フォームから応募が開始されました。
e-gov|取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律施行令(案)等に関する意見募集の結果公示について
パブリックコメント募集の趣旨
消費者庁は、「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律(令和3年法律第 32 号)」が施行されたことに伴って、施行令(案)の作成、公表を行いました。この施行令の作成に伴い、国民に広く意見募集を行ったところです。実際に集まったパブリックコメントでも、施行令(案)のほか、施行規則(案)や考え方、運用方法についても意見が集まりました。
具体的なパブリックコメントの内容
施行規則(案)には消費者にとって明確かつ平易な表現を用いることや、取引デジタルプラットフォーム提供者が開示する事項について具体的に記載されています。1条関係ではプラットフォーム提供者が講じた措置等の開示についての意見、2条関係では提供者が開示する事項についての意見や指摘、改善案について、3条関係では商品の性能、特定権利や役務の内容に関する重要事項についての指摘、改善案、などが寄せられています。意見の内容はほとんどが取引デジタルプラットフォーム提供者の具体的な業務に関するもので、消費者庁としてもいくつかの回答や検討コメントが付されています。また、5条では開示請求について規定されていますが、具体的な開示請求に関する手続きが円滑に行われるように、今後Q&Aなどの整備を行うとも記載されています。
コメント
今回のパブリックコメントでは主に、取引デジタルプラットフォーム提供者が施行規則(案)等をもとに、どのように運用すべきなのか、具体的な意見や改善案が多数寄せられました。消費者庁の回答にもあるとおり、今後はQ&Aの整備や指針の整備などがおこなわれる予定です。また、指針(案)についての文言や表現については、パブリックコメントの内容をもとにすでに修正されたものが公開されています。
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