【法務NAVIまとめ】企業の安全配慮義務~事件から従業員を守るために~

従業員を「事件」から守る環境を整える義務が企業側にあると判例で認められている。

本サイトでも多数、企業側が従業員の就業環境を守ることが企業側の義務であることは度々取り上げられているが、今回は物的環境を整えることにより従業員の身体・健康を守る企業側の従業員に対する安全配慮義務についてとりあげる。

安全配慮義務とは

労働契約法第5条では、「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」として、使用者が労働者に対して負うべき労働契約上の付随義務を定めている(安全配慮義務)。
使用者がこの義務を怠り、労働者に損害が発生した場合、使用者は労働者に対して損害賠償責任を負うことになる。

企業側の安全配慮義務が認められた例

1.雇用者と被用者関係

宿直勤務中の従業員が盗賊に殺害された事故につき会社に安全配慮義務の違背に基づく損害賠償責任があるとされた事例(昭和59年4月10日 最高裁判所第三小法廷)

出典:最高裁判所

雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権
①平成6年2月22日  最高裁判所第三小法廷 判決

雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺にかかったことを理由とする損害賠償請求権
②平成16年4月27日 最高裁判所第三小法廷 判決

出典:最高裁判所

2.それ以外の関係

①元請企業と下請企業従業員(元請企業の下請企業従業員に対する安全配慮義務)
平成3.4.11最高裁判所第二小法廷

出典:最高裁判所

②親会社と子会社労働者(親会社の子会社労働者に対する安全配慮義務)
例:長野地判昭和61年6月27日
石綿製品の製造作業に従事していた従業員がじん肺(石綿肺)に罹患したことについて、事実上、親会社から労務提供の場所、設備、器具類の提供を受け、かつ親会社から直接指導監督を受けて、子会社が組織的、外形的に親会社の一部門のような密接な関係を有していた等として、親会社に安全配慮義務違反が認められた事例

行うべき義務

事故が起こるかもしれないと想定できるものについてすべて対応することが求められる。

例:安全装置を取り付けるべき機械には安全装置を付けること、社員に対しての安全教育を施すこと

出典:日本の人事部

1.危険、健康障害の防止装置、2.安全衛生教育の実施、3.安全衛生管理体制の確立、4.健康診断等の実施 、5.労働時間の管理(長時間労働の防止)、6.快適な職場環境の形成

出典:久志田社会保険労務士事務所

労働災害と安全配慮義務

労働災害を防止するために、労働安全衛生規則に定められた企業(条文上は「事業者」)の義務

出典:総務・人事

関連業務タグ:
関連法律タグ:
 
[著者情報] iri

詳細情報はありません。

このニュースに関連するセミナー

法務NAVIまとめ 労務法務 労働法
【国際法務入門】M&A 合弁会社設立
2017年07月19日(水)
19:00 ~ 22:00
25,000円(税込) ※平成29年2月15日開催のLBS体験講座に参加された方は10,000円減算した金額とさせていただきます。 なお、単回申込みを複数回される場合は、上記減算は初回分のみ適用となりますのでご了承ください。
東京都新宿区
講師情報
登島 和弘
インヴェンティヴ・ヘルス・ジャパン合同会社 アジア太平洋地域法務責任者
1961年神戸市生まれ
中央大学法学部法律学科卒
立命館大学法務研究科修了
スタンレー電気㈱総務部庶務課法務担当を皮切りに、
日本AT&T㈱(米系)契約課長、松下冷機株式会社法務室主事、
セジデム株式会社(仏系)コーポレートサービス部統括部長・法務部長兼任等、
を歴任し、現職。
*企業名は当時のまま。
※日本企業・外資系企業両方での国際法務経験が有り、両者の観点から国際法務
について指導を行います。
国際法務入門者向けの契約法務習得セミナーになります。
当日は、下記の流れで、こちらで用意したビジネスシチュエーションを題材に、
国際法務経験豊富な講師との双方向でのコミュニケーションを行い、
ときに、少人数のグループでのディスカッションを織り交ぜながら、
参加者が思考しアウトプットするプログラムとなっております。

売買契約・共同開発契約の審査や作成に必要な「知識」を習得するのはもちろんのこと、
一方的に話を聞くセミナーとは異なり、各契約を検討する上での「思考法・仕事術」などの
実践的な能力を習得出来るのが特徴です。

【講師からケースの説明】→【グループディスカッション】→【各グループの発表】→【講師レビュー】

★「体験講座」(2月15日開催)の参加者の声★
・書籍等では実務に近い情報が無い為、講座で具体的なケースを想定し仕事の進め方を理解出来てる内容がとてもよかったです。
・少人数で法務業務を担当している為、自分自身の経験、知識、感覚で仕事をしてしまう事が多く、
法務業務をする上で大事な思考のフレームワークを学べて良かったです。
・講義内容はもちろんですが、他社の法務担当の意見を聞く事が出来て、とても参考になりました。

★今回のテーマ★
「M&A 合弁会社設立」
日本の製薬企業が豊富なノウハウと経験を有する自社のIT部門を独立させ、自社を含む他の製薬企業向けに幅広くITサービスを提供できる企業を設立しようとするとき、同社にメインフレームを提供している米国のコンピュータ会社の協力を仰ごうとするケースを題材に、企業間における事業協力の形態を検討します。
※ こちらで事前課題を用意し、受講前にケース理解を深めていただきます。
※ 本講座は「リーガルビジネススクール 国際法務担当者育成コース(全六回)」の第五回講座を兼ねております。そのため、そちらの申込者と一緒に本講座を受講いただく形となります。
詳細はコチラ (申込は、終了しています。)
法務NAVIまとめ 労務法務 労働法
第85回MSサロン(東京会場)
2017年07月26日(水)
19:00 ~ 21:00
2,000円
東京都新宿区
講師情報
大東泰雄
のぞみ総合法律事務所 弁護士

平成13年慶應義塾大学法学部卒業,平成24年一橋大学大学院国際企業戦略研究科修士課程修了。
平成14年弁護士登録。
平成21年4月から平成24年3月まで,公取委審査局審査専門官(主査)として,独占禁止法違反被疑事件の審査・審判実務に従事。

公取委勤務経験を活かし,独禁法違反事件対応(リニエンシー申請,社内調査,公取委対応,審判等),企業結合審査対応,独禁法関係民事訴訟,下請法,景品表示法等に関する業務を主軸とし,その他企業法務全般を扱っている。
セミナー(60分)の後、交流会(60分)を行います。
今回のセミナー内容は、 「下請法運用強化と対応のポイント」です。
詳細はコチラ (申込は、終了しています。)

あわせて抑えておきたい関連記事

株式非公開化手順まとめ 初めに 近年、敵対的買収への対応や、会社の意思決定を迅速に行いたいなどの経営戦略上、株式の非公開化をするという選択をする企業が増えています。 そこで今回は株式の非公開化の手順の一つであるスクイーズ・アウトについてまとめてみました。 株式の非公開化 株式の非公開化とは、既に上場し、不特定多数...
不当労働行為まとめ 1.はじめに  NHKが、受信料の集金スタッフでつくる日本放送受信料労働組合との団体交渉に応じなかったとの疑いを持たれていたことから、2016年12月22日に中央労働委員会がNHKのその団体交渉の拒否に不当労働行為を認定したことが明らかになりました。そこで、今回は不当労働行為についてまとめます...
【法務NAVIまとめ】ISO14001認証取得に関するポイントまとめ... 企業の環境への配慮が重要視される中、ISO14001の取得は企業の信頼をアップさせるものとして注目されています。 ・ISO14001とは、環境マネジメントシステム(EMS=Environmental Management System)の仕様を定めたものです。 環境マネジメントシステムとは、...