【法務NAVIまとめ】労働時間制度の種類と比較

記事「【法務NAVIまとめ】労働時間制度の種類と比較」のイメージ

1 主な労働時間制度の概要

 主な労働時間制度としては以下のものが挙げられる。
①固定時間制度(通常の労働時間制度)
②変形労働時間制度
③裁量労働制

企業における各労働時間制度の採用状況は出典元のようになっている。

2 変形労働時間制度

 変形労働時間制とは、一般的に均一な所定労働時間を、繁忙や閑暇といった
勤務状況に合わせて弾力的に設定することができる制度をいう。変形労働時間
制度には、次の4種類がある。
①1年単位の変形労働時間制
②1ヶ月単位の変形労働時間制
③1週間単位の変形労働時間制
④フレックスタイム制

 ここで、少しフレックスタイム制に焦点を絞ってみてみよう。
 フレックスタイム制とは、1か月以内の一定期間(清算期間)における総労働時間をあらかじめ定めておき、労働者はその枠内で各日の始業及び終業の時刻を自主的に決定し働く制度をいう。そして、フレックスタイム制を採用するには、2つの要件がある。
①始業及び終業時刻を労働者の決定に委ねる旨を就業規則等に定める
②労使協定でフレックスタイム制の基本的枠組みを定める

 フレックスタイム制には、労働者自身が労働時間を効率的合理的に配分でき、残業時間を短縮できるといった利点がある一方で、従業員間のコミュニケーションが取りづらくなったり、担当者の不在が生じたりするという欠点がある。

 また、フレックスタイム制は、少人数で経営している中小・零細企業ではその
メリットを享受しにくいという問題点がある。

3 裁量労働制

 裁量労働制とは、実際の労働時間に関係なく、労働者と使用者との間の協定で
定めた時間だけ働いたとみなす制度である。裁量労働制には、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制との2種類がある。

 裁量労働制には、労働者が時間に縛られず、主体的に仕事をコントロールできるという利点がある一方で、実質的な不払い残業が発生し、実労働時間が過労死
ラインを超えてしまう可能性があるという欠点がある。

 また、裁量労働制には、実労働時間とみなし時間がかけ離れていることや会社の都合のいいように解釈され、実際は出退勤時間を管理されていることがあるという問題点がある。

4 各労働時間制度の比較

 各労働時間制度の利点・欠点を踏まえて比較すると、次のようになる。

出典: 各労働時間制度の利点・欠点(リンク切れ)→アーカイブ

 もっとも、どの労働時間制度を採用するにしても、誤った運用は避けるべきである。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約2年9日前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] fuyu

詳細情報はありません。

このニュースに関連するセミナー

法務NAVIまとめ
第93回MSサロン(名古屋会場)
2018年02月15日(木)
19:00 ~ 21:00
2,000円
名古屋市中区丸の内
講師情報
和田圭介
愛知県春日井市出身
京都大学法学部・Duke大学LLM卒業。
2005年弁護士登録。
2013年ニューヨーク州弁護士登録。
世界最大規模の国際法律事務所であるクリフォードチャンス法律事務所を経て、
2015年、IBS法律事務所を開設。
国内外の企業法務案件を主に扱っており、国際取引・英文契約を得意としている。
大手総合商社・外資系企業の法務部への出向経験があるため、企業法務の現場の問題意識にも通じている。
セミナー(60分)の後、交流会(60分)を行います。
今回のセミナー内容は、 「法務部員のための国際仲裁入門」です。
申込・詳細はコチラ
法務NAVIまとめ
第92回MSサロン(大阪会場)
2018年02月06日(火)
19:00 ~ 21:00
2,000円
大阪府大阪市北区
講師情報
山口昌之
2005(平成17)年10月
大阪弁護士会に弁護士登録
なにわ共同法律事務所入所
2015(平成27)年1月
山口法律会計事務所入所
セミナー(60分)の後、交流会(60分)を行います。
今回のセミナー内容は、 「社員の不祥事に対する会社としての対処法(第2回)」です。
申込・詳細はコチラ

あわせて抑えておきたい関連記事

【特集】第3回 取締役の説明義務 第1 はじめに  こんにちは。企業法務ナビの企画編集部です。今回も前回に引続き、特集記事「株主総会における企業の対応」をお送りします。折り返し地点となる今回は「取締役の説明義務」について、見ていきたいと思います。会社法314条本文では、取締役は、株主総会において、株主から特定事項について説明を...
【法務NAVIまとめ】パートタイム労働法改正(平成27年4月1日施行)... 1、正社員との差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲 (1)従来の取扱い  正社員と差別的取り扱いが禁止されるパートタイム労働者は、①職務内容が正社員と同一、②人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一、③無期労働契約を締結しているパートタイム労働者であることとされてい...
【法務NAVIまとめ】個人情報保護法の改正のポイントまとめ... 平成27年8月28日に個人情報保護法の改正案が可決され、2年以内に施行されることになりました。   ・個人情報保護法は個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利利益を保護することを目的として、平成15年5月に成立、公布され、平成17年4月に施行された法律です。   出典 個人情報保護法対策室...