世界初。日米が特許出願の協働調査を8月より開始。

法務担当者が“法務”を語る新しいWEBメディアはコチラ
握手

事案の概要

 特許庁と米国特許商標庁は、平成27年8月1日から日米協働調査を開始することに、5月21日合意した。特許の協働調査は世界初となる。
 日米協働調査の内容だが、具体的には、日米両国に特許出願した発明について、日米の特許審査官がそれぞれ調査を実施し、その調査結果及び見解を共有した後に、それぞれの特許審査官が、それぞれ早期かつ同時期に最初の審査結果を送付するというものとなる。
 その特徴として以下の三点が挙げられる。
 ⑴ 各国の特許審査官が独立して審査する点では、今までと変わらないが、審査結果を大きく左右する先行技術調査の結果とそれを踏まえた特許性の判断を、日米の特許審査官が審査前に共有する点で、従来と大きく異なる。この結果、後の侵害訴訟や無効審査においても、自社の特許発明を根拠づける特許性判断に両国でブレが生じず、強く安定した特許権となる。
 ⑵ また、審査申請から審査結果の送付まで、日本国内では平均10ヶ月かかっていたところ、特許庁資料によると、日米協働調査においては平均6ヶ月になると明示されている。
 ⑶ 更に、日本での出願同様、日米協働調査においても、技術的に関連する発明についてまとめて出願することが可能である。アメリカが日本の方式に併せたものであり、広く複数の発明を出願することがより簡便になるといえる。
 このように、企業は、日米協働調査を受けられれば、①日米間で情報が共有された強く安定した特許権の実現、②審査期間の短縮などの恩恵を得られる。

コメント

 法務担当者は、自社の発明を万全な根拠資料に基づき早く世に出すためにも、日米協働調査について検討する必要がある。自社の発明が日米協働調査を受けられるか、受けるにはどうすればよいか、未だ公表されていない参加申請の形式やその制限に関する特許庁の今後の動向に注視することが求められる。

関連サイト

経済産業省 特許庁

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約5年1ヶ月前に投稿された記事です。法律に関連する記事の特性上、法改正や特別法の施行、経過措置期間の経過、新たな条文解釈を示唆する判例の登場などにより、記事の内容と現在の法律運用・解釈との間に齟齬が生じている可能性もございます。何卒、ご注意ください。
 
[著者情報] hori

詳細情報はありません。

日々の法務業務を効率化したい方はコチラ