【ベトナム】改正企業法、投資法のポイント

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ベトナムの国会が11月28日に閉幕した。今国会では、ベトナムでの企業活動を行う上で重要と思われる、2つの法案が可決成立した。両法は2015年7月1日に施行される予定である。

改正企業法のポイント

会社周りの手続の簡素化

①原則として、従事できる事業部門の規制がなくなった。また会社設立にあたり、設立者の経歴書の届出がこれまで必須だったが、改正法では原則として免除されることとなった。

②会社印の形式、内容や管理、使用方法が企業の権限で決定できるようになった。これまでは、会社印の形式や内容も細かく規定され、会社設立の際には、当局の指導の下で社印を作成しなければならない等、手続も煩雑であった。
改正法では会社印を作成した後、企業はその会社印の情報を当局のデータベースに登録する必要がある。これによって、取引先企業の情報や会社印の真性を確認することができるようになる。

国営企業の新定義

国営企業の定義を「国の全額出資による企業」とした。従来は国が50%以上出資している企業が国営企業とされていた。
これにより、国が独占していた分野に民間が参入できる可能性も高くなると予想される。

一定人数以上の事業主の会社組織化

常時10人以上の労働者を雇用している個人事業主は会社設立の義務があるといった規定も盛り込まれている。
これにより、企業法の規制を受ける対象が多くなり、小規模事業者への国の監督ができるようになると予想される。

改正投資法のポイント

投資禁止業種の限定

投資や経営が全面的に禁止されている業種は現状51業種であるが、改正法では6業種に限定した(法律の規制に化学物質・鉱産物、法律で規制されている麻薬物質など)。また、現状条件付きで認められている業種は、改正法では386業種から267業種に減少した。条件付分野に参入する場合には、企業は事業の認可を得た上で当局から許可を得る必要がある。

改正後の動向

 今回の企業法、投資法改正の狙いは、企業活動・投資活動の規制を緩和し、経済を活性化させることにある。
ベトナム国営ニュースの報道によれば、実際、昨年工業地域への投資事業のうち、364件が手続の不備により中止に追い込まれ、これにより11億2600万ドル(約1141億円※2013年当時)の投資が有効に活用されなかったという事態が発生した。こうしたことが背景となり手続の簡易化が検討されてきた。
 確かに、法改正によって改善される面はあるだろうが、実際に重要なのは法を適切に運用できるかにかかっているといえる。ベトナムでは法律上、条件が規定されていてもその運用方法が曖昧であり、政府の部署ごとや担当者ごとで解釈が異なることが往々にしてある。ベトナムで活動している事業者は法改正の内容と共に、その運用方法についても注視していく必要がある。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約5年2ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] ryo

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