こんにゃくゼリー男児死亡訴訟、両親の控訴棄却
2012/05/25 訴訟対応, 製造物責任法, メーカー

事案の概要
2008年、兵庫県内に住む当時1才9ヶ月の男児がマンナンライフのこんにゃくゼリーをのどに詰まらせ死亡した事件で、製品の欠陥が原因だとしてPL法(製造物責任者)に基づき両親が同社を提訴した事件。
八木良一裁判長は、原告敗訴とした1審判決を支持し、両親の控訴を棄却した。
両親は一審において、当時流通していたこんにゃくゼリーについて、一般のゼリーより硬く、子供にはかみ切りにくかった、のどに詰まる恐れがあるので子供や高齢者は食べないように、と呼びかける袋の警告表示が小さかった、などとこんにゃくゼリーの欠陥について主張した。
しかし一審判決は「硬いのはこんにゃくの特性」とし、警告表示は強調するため赤字で記されていたことなどから「危険性を周知させるには十分だった」と判断していた。
コメント
PL法は消費者保護のため制定された。主に欠陥商品により消費者が損害を受けた場合、民法の損害賠償責任(709条)を問う場合に必要な企業の過失の立証責任を消費者に負わせず、企業の無過失責任を問えるというものである。
こんにゃくゼリーについては本事件当時から事故が多発しているとの報道がなされ、こんにゃくゼリーは危険な食べ物というイメージが国民に植え付けられたように思う。実際は食べ物による窒息死亡事故は年間4000人を超えており、そのうちこんにゃくゼリーによる死者は1.7人である。とすれば、こんにゃくゼリー自体に問題があるとは言えず、本判決はこんにゃくゼリーはPL法における「欠陥商品」には当たらないと判示した点で妥当であろう。
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士
- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- セミナー
松尾 剛行 弁護士(桃尾・松尾・難波法律事務所/第一東京弁護士会)
- 【オンライン】2040年の企業法務への招待。〜松尾剛行先生に聞く、AI による法務業務の効率化とその限界〜
- 終了
- 2025/03/06
- 12:00~13:00
- 弁護士
- 髙瀬 政徳弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階

- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード

- まとめ
- 株主総会の手続き まとめ2024.4.18
- どの企業でも毎年事業年度終了後の一定期間内に定時株主総会を招集することが求められております。...

- 業務効率化
- Mercator® by Citco公式資料ダウンロード

- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間

- 解説動画
加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間

- ニュース
- アウトドア用品大手パタゴニア、雇い止め訴訟が和解2025.4.28
- アウトドア用品メーカー大手「パタゴニア・インターナショナル・インク」の日本支社に、無期転換前に...