福島県議選に見る国政選挙への課題
2011/11/21 法務相談一般, 民法・商法, その他

概要
東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県で県議会議員選挙が行われ、20日投開票された。選挙において、住民票をおく自治体以外に避難している8万人以上の有権者に対する選挙活動、投票方法等様々な問題が浮き彫りになった。これらの問題について次の国政選挙までに対策を講じることができるのか、多くの課題が残された。
問題点
【選挙活動】
まず、選挙活動については、通常の県議会議員選挙のように選挙区内のみで選挙活動をすればいいというものではなかった。仮設住宅が県全域に広がっているため、選挙区民も県全域に散らばってしまっているのだ。県内各地に点在する仮設住宅で選挙活動が必要なため、候補者の選挙活動費はかさむ。しかしその一方、実効的な選挙活動ができない。なぜなら、仮設住宅では該当選挙区の選挙民の存在が明らかだが、仮設住宅以外では選挙民が存在するのかを把握できないまま選挙活動することになるからだ。
【投票日の告知】
投票の告知も十分には行えない。有権者たちの所在が把握できないのだ。自治体が避難している人々の住所や電話番号を把握しているとしても、個人情報であるため無断で選挙に使用することはできない。そのため、県外に避難している有権者全てに告知する方法がないのだ。
【ポスター掲示】
投票をしやすい環境を作るため浪江町では、町内全域を1つの投票区とした。しかし、法律では1投票区につきポスター掲示場は10か所以内と定められている。そのため、浪江町ではポスター掲示場のない仮設住宅があった。
雑感
今後の福島復興を託す議員を選ぶ重要な選挙である。今後の国政選挙までには選挙事務をスムーズかつ実効的に行えるように対策を講ずべきである。ただ、法的問題もあるため対策には早めに取りかからなければならない。また、今回の県議会議員選挙では県外から選挙スタッフ100名近くが応援に入った。しかし、国政選挙となれば、県外からの応援を得ることは難しくなる。この点での対策も考えなければならない。
今回、問題点が明らかになったことで、次回以降の各選挙がより良いものとなることを期待する。
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