判断は合憲―最高裁大法廷が裁判員制度の合憲性を認める
2011/11/16 訴訟対応, 刑事法, その他

概要
16日、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は、裁判員制度が憲法違反であるか否かが争点となっていた覚せい剤取締法違反事件の上告審において、裁判員制度は合憲であるとの判断を示した。憲法上、国民の司法参加が禁じられていると解すべき理由はなく、また、裁判員は公正性、中立性に配慮して選任されている、というのが理由である。この判断は、裁判官15人全員一致の判断であり、個別意見は述べられなかった。この判断の上、最高裁は被告人側の上告を棄却したため、被告人の有罪が確定することとなる。
事件の経緯
フィリピン国籍の女性がマレーシアから覚せい剤を密輸し、覚せい剤取締法違反で起訴されたのがことの発端である。被告人側は無罪を主張したが、第一審の千葉地裁の裁判員裁判では、懲役9年、罰金400万円の判決がなされ、控訴審もこれを支持した。これに対して、被告人側は、憲法に国民の司法参加を想定した規定がないため、裁判員を裁判体の構成員とする裁判員制度は憲法に違反するなどと主張して上告していた。
雑感
今回の判決は、裁判員制度自体は合憲であることを認めたものであり、この制度の存在にお墨付きを与えたものであるといえる。そのため、当面は法改正でもない限り、裁判員制度の運用はこれまで通り続けられるとみられる。しかしながら、この制度については、導入前及び導入後もその賛否をめぐって様々な議論が展開されてきた。また、この制度は2009年8月に導入されて以来まだ2年しか経過していない。そのため、今後もこの制度の是非や在り方について考え、議論していくことが必要であろう。
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