タイ大洪水にみる、カントリーリスク対策の重要性
2011/11/04 コンプライアンス, 危機管理, 民法・商法, メーカー

トヨタ自動車は、4日、タイ大洪水による部品調達不足に伴う稼働調整措置を拡大するとの発表を行った。
稼働調整は、日本国内の他、米国、カナダ、南アフリカ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、パキスタン、マレーシアの各国の工場で行われる。
現地に部品製造拠点をもつその他の自動車企業も、工場の休止を含め、生産調整を余儀なくされている。
【関連リンク】
11月4日「タイの洪水に関する当社の対応について(第6報)」(トヨタHP)
今回のような事態を招いた原因は、部品の生産拠点を相当程度タイに集中させた点にある。
東日本大震災による福島原発の暴走を見までもなく、何か天変地異が起きると、言い訳として「○○年に一度の」とか「未曾有の」等の言葉が使われる。
そして、今回の洪水についても、「50年に1度の」という言葉をよく目にする。
しかし、降水量が多い熱帯雨林気候で大河の流域、しかも平地といえば、大洪水等の水害のリスクは常につきまとう。
我が国のように、熱帯雨林ほど降水量が多くはないうえに早くから比較的治水が行き届いている国においてさえ、今年の西日本各地で水害が多発している。ましてや、インフラが整備途上の東南アジアであれば尚更である。
確かに、その土地に進出するに際し、自然災害等のカントリーリスクの蓋然性・頻度がどの程度なのかということを考慮に入れなければならないのは当然である。しかし、特に自然災害は、一度それが起きてしまった時点で、そんな確率論などはたちまち無意味になってしまう。
最も重要なのは、それが起きてしまった場合に備えてどのように対策を講じておくか、ということである。
部品の製造拠点を特定の地に集中させることは、一見効率的であるが、そこが打撃を受けたら、その先の工程も全てストップしてしまうという重大かつ明白な欠陥がある。
トヨタを始めとして、被災区域に進出していた企業は、「合理化」「効率化」の捉え方が一面的に過ぎたと言わざるをえないだろう。
「グローバル化」つまり世界経済の一体化は今後も進行していくものと思われるが、どこの地域も多かれ少なかれカントリーリスクを抱えている以上、結局は、進出先とその一帯で製造工程が完結するような仕組みを構築することを基本方針とするほかないのではなかろうか。
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