読書好きに朗報!―電子書籍、世界標準規格へ統一化の動き
2011/09/26   知財・ライセンス, 著作権法, IT

事案概要

24日、欧米で電子書籍の事実上の世界標準となっている規格が、10月にも縦書きの日本語に対応することが分かった。
国内の電子書籍市場は、端末や配信業者間で規格が異なり、普及の障害になっていた。ソニーや楽天など電子書籍の配信大手は標準規格を採用する方針で、世界標準との一本化が進めば、利用者利便の向上が期待できる。一方で国内の出版ビジネスに大変革が起こり、書店などの淘汰が進む可能性もある。
ソニーなどが採用するのは、米電子書籍標準化団体「IDPF(国際デジタル出版フォーラム)」が10月中旬に決める「EPUB(イーパブ)3」と呼ばれる最新の規格だ。これに対応したコンテンツ(情報内容)が市場に出てくるのは年末以降とみられる。イーパブは、米アップルの電子書籍サービスなどで使われており、欧米の標準となっている規格である。
現在国内の電子書籍規格は、シャープが2001年、携帯情報端末「ザウルス」向けにサービスを始めた規格「XMDF」と、「ドットブック」の2方式が主流で、これらは互換性がない。そのため、どちらかの方式に則した端末を購入すると、もう一方の規格に沿った電子書籍を読むことができない。米アップルなど海外勢も、日本の規格に対応する必要があり、国内の電子書籍の普及を妨げているという問題があった。

ビジネスパーソンの理想の読書量とは?

"電子書籍元年"と言われた2010年。2011年を迎え、電子書籍リーダーや電子書籍ストアが続々と登場している現在、その普及率やビジネスパーソンの読書状況はどのようになっているのだろうか。マーケティングリサーチを展開するアイシェアは、ビジネスパーソンの読書に関する意識調査を行い、年収1,000万円以上で、ひと月に1冊以上本を読む30代、40代のビジネスパーソンの男女500名からの回答を集計し、結果を公開した。

● ビジネスパーソンの理想の読書量とは?
全員にひと月の読書量を尋ねたところ、最も多かったのは「1~2冊程度」で48.2%と半数近く。それに続いたのは「3~4冊程度」で24.0%。これらを合わせた『5冊未満』は全体の72.2%と過半数を占めている。一方、「10冊以上」としたのはわずか10.4%。これに「5~6冊程度(11.0%)」「7~8冊程度(3.6%)」「9~10冊程度(2.8%)」を合わせた『5冊以上』は27.8%という結果となった。
実際の読書量に対し、ひと月の理想の読書量はどのくらいなのだろうか。尋ねたところ、最も多かったのは「3~4冊程度」で26.2%。「1~2冊程度(22.0%)」以外はすべて割合が高まっており、「10冊以上」は20.6%を占め、実際の読書量より10.2ポイントも上回っている。また、実際の読書量では『5冊以上』が27.8%と少数派であったが、理想の読書量では合計51.4%と多数派に一転。現在よりも読書量を増やしたいと望むビジネスパーソンの実態が浮き彫りとなった。

雑感

多忙なビジネスパーソンにとって、ゆっくりと自宅で腰を落ち着けて読書する時間を捻出するのは至難の業である。
この点、今回の電子書籍の規格の統一化の動きは喜ぶべきことであろう。
電子書籍の情報を異なるモバイル端末でも持ち運ぶことができれば、端末ごとに書籍をレンタルしたり購入する手間が省け、通勤時や移動時などの隙間時間を使ってより簡単に読書することができるからだ。
ただ、電子書籍が普及することにより書店の淘汰が進むとなると、本の手触りやデザイン、匂いなども楽しみたい筆者にとっては少し淋しい気もするのだ。

関連リンク

  • 読売オンライン-ソニー・楽天 採用有力…国内一本化期待(リンク切れ)
  • gooニュース-ビジネスパーソンの『理想の読書量』、電子書籍端末が実現できるか -- アイシェア調べ(リンク切れ)→アーカイブ

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