羽田の航空管制官、エアフォースワンの飛行計画情報を漏えい。
2011/09/12 コンプライアンス, 情報セキュリティ, 民法・商法, その他

羽田の航空管制官、エアフォースワンの飛行計画情報を漏えい。
羽田空港の50代の男性航空管制官が、アメリカ・オバマ大統領の専用機、通称「エアフォースワン」の飛行計画情報をインターネット上に流出させていたことが判明した。
男性管制官は、オバマ大統領が来日した際のフライトプラン等をコンピューター端末からプリントアウトしたものをカメラで撮影、これを自身のブログにアップしたという。
男性管制官は、「知人に知ってもらいたかった」という、なんとも子どもじみた理由を動機として語っている。
流出した情報の中身
管制塔の内部の様子、エアフォースワンがソウルの空軍基地を出発して羽田空港に到着するまでの飛行ルート、飛行高度、通過時間、福島第1原発のデータを収集するため日本を訪れた米軍無人偵察機「グローバルホーク」のフライト情報、同機の現在地が記されているレーダー情報etc.
雑感
9・11テロから10年を迎え、テロ対策に神経をとがらせているアメリカでは、エアフォースワンの飛行情報は、高度な機密情報として取り扱われている。エアフォースワンの高度や速度等を把握することは、エアフォースワンへのテロをより容易にするものだからだ。
日本とアメリカは同盟国である。同盟国間では、高度の情報共有が必要となるが、一旦、「情報保全で劣る国」とのレッテルを貼られてしまうと、アメリカとしても、機密情報を共有することをためらいがちになり、それに伴い日米間の関係が弱体化するおそれがある。
羽田空港に各国首脳が来るのはそんなに珍しいことではない。ましてや、今回問題となった男性航空管制官はその道30年の大ベテランである。各国の高度な機密情報を扱う機会はこれまでにも度々あったはずである。
今回の事件の原因として、やはり、社内教育や社内ルールの作成部分が極めてずさんであったことが考えられる。
航空管制官の機密の漏えいが重度な国際問題になるおそれがあることの意識付け、カメラや携帯電話等の私物の持ち込みの制限、コンピューター端末からのプリントアウトに厳格な手続きを課す等、厳格な機密保持対策がなされていたようには見えない。
一旦、機密が漏えいしてしまうと、これを取り返すことは事実上不可能である。今後、二度と同様の事態が生じないよう、会社組織内での機密保持体制の再構築に全力を挙げて欲しい。
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