問題意識の低さが招いた産地偽装
2011/09/08 消費者取引関連法務, 民法・商法, その他

事件のあらまし
宮崎市のリゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」のホテルで、産地などがパンフレットの表示と異なる食材を44品目て使い、計1万223食を施設内で提供していた、と同施設の運営会社「フェニックスリゾート」が7日に発表した。
産地偽装の食材が使われた施設は、シーガイアコンベンションセンター、サンホテルフェニックス、コテージ・ヒムカ、シェトラン・グランデ・オーシャンリゾート、特設イベント会場の5施設である。
偽装の内容は、養殖真鯛を「青島・地獲れ・日向獲れ」と、オーストラリア産を「青島産」と産地を偽装するものがほとんであった。しかし中には、ブロイラーを「地鶏」と表記し、種類そのものを偽装するものもあった。
今回の偽装が発生した原因は、①安定的な仕入れ(数、大きさ、形)のために、食材を変更し発注した。②メニュー表示内容を失念し、異なる食材を発注した。③食材の定義を誤認していた、であると同社は説明した。
また、このような原因が生じた背景として、①表示に対する問題意識の低さ、②食材に関する知識不足を挙げている。
雑感
食材は安全か、その食材は対価に見合う価値があるか、ということを消費者が判断する基準として、産地表示は重要な意味を持つ。そうであるから、産地を偽装することは消費者からの信用を失い、企業価値を害することになってしまう。このような企業にとっての損失を回避することは、企業にとって必須であり、具体策としては従業員の教育や、コンプライアンスの徹底が考えられる。特に、本件のように、食材を扱い、料理を提供する企業においては、その従業員は食材に関する知識や関係するルールを詳しく認識していなければならない。
従業員一人一人の教育は、大変手間が掛かることであるが、それを行うことが最大の防御策になるのだと思う。
【関連リンク】<a href="http://www.seagaia.co.jp/japanese/news/detail.php?num=489"target="_blank">フェニックス・シーガイア・リゾート
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士

- 大谷 拓己弁護士
- 弁護士法人咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階
- セミナー
茂木 翔 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/第一東京弁護士会所属)
- 【オンライン】暗号資産ファンドの最前線:制度改正と実務対応
- 終了
- 2025/05/29
- 12:00~13:00
- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分
- まとめ
- 中国:AI生成画像の著作権侵害を認めた初の判決~その概要と文化庁「考え方」との比較~2024.4.3
- 「生成AIにより他人著作物の類似物が生成された場合に著作権侵害が認められるか」。この問題に関し...
- 弁護士

- 松田 康隆弁護士
- ロジットパートナーズ法律会計事務所
- 〒141-0031
東京都品川区西五反田1-30-2ウィン五反田ビル2階
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- ニュース
- 東京五輪をめぐる汚職事件でコンサル会社元代表の初公判、受託収賄とは2025.12.8
- 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で大会組織委員会の元理事とともにコンサル会社「コモンズ...










