悪徳商法の賠償請求代行-消費者委が新制度案
2011/09/02   消費者取引関連法務, 消費者契約法, その他

事案概要

内閣府の消費者委員会は、悪徳商法の被害者に代わり、国が認定した「適格消費者団体」が業者に対し、損害賠償請求の訴えを起こすことができる新しい制度案をまとめた。
被害者個人が訴えを起こそうとしても、被害額が小額であることや裁判にかかる時間・専門知識などの問題から泣き寝入りする例も多く、複数の被害者を代行して一括救済するのが狙い。平成19年に始まった「消費者団体訴訟制度」では、適格消費者団体は消費者に代わり不当行為の差し止め訴訟を起こす権利があるが、損害賠償請求権は認められていなかった。

消費者庁は消費者委からの報告を検討。来年の通常国会での関連法案提出を目指す。制度案によると、適格消費者団体は消費者から寄せられた虚偽広告や不当販売などの情報を基に、業者による違法行為の確認を求め提訴できる。
違法行為を認める判決が確定すれば、インターネットなどに判決内容を公表。同様の被害を受けた消費者は、同団体に被害を申し出て賠償請求の手続きの代行を依頼できる。
手続きには手数料がかかるが、被害者が個人で訴えを起こすよりも費用を安く設定する予定。

消費者団体訴訟制度とは

平成19年6月7日施行された改正消費者契約法によって導入された制度。
消費者団体訴訟制度とは、不特定多数の消費者の利益を守るため、事業者の不当な勧誘行為や契約条項の使用に対する法的な差止請求権を※適格消費者団体に与える制度。
この制度によって被害に遭った消費者個人と異なり、直接の被害者でない消費者団体が事業者に差止訴訟を起こすことができるようになった。
※適格消費者団体とは、不特定かつ多数の消費者の利益のために、差止請求権の行使に必要な適格性をもつ消費者団体として内閣総理大臣の認定を受けた者をいう。

雑感

警察庁によると、今年半年間に摘発された悪質商法やヤミ金融の事件は、合わせて300件、被害額は361億円余りで、件数は去年の上半期よりおよそ11%減ったものの、被害額は107億円余り増えたそうである。このような状況を受けて今回制度拡充の動きが出てきたのであろう。
適格消費者団体が被害者に代わって損害賠償請求もできるとなれば、ますます米国のクラスアクションに似通った制度になるため、濫用のおそれのないように気をつける必要があるだろう。

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