Google-違法医薬品広告掲載で過去最大級の罰金
2011/08/26 海外法務, 外国法, IT

事案概要
Googleは米国時間8月24日、注目を集めていた米司法省との係争で、米連邦法に違反してカナダのオンライン薬局の広告を掲載したことを認め、5億ドル(約380億円)の罰金を支払うことで和解した。
司法省によれば、今回の罰金額は米国において過去最大級で、カナダの薬局がGoogleの「AdWords」プログラムを利用して掲載した広告によってGoogleにもたらされた粗利益、および該当のオンライン薬局が米国の消費者への販売よって手にした粗利益相当額からはじき出されたものだ。
Googleは司法省との和解条件の中で、「カナダのオンライン薬局の広告主がAdWordsを利用して米国を対象とした広告を掲載することを不適切に支援した」ことを認めた。また、罰金に加え、「和解書に記載されている行為が将発生することを防ぐため」に、コンプライアンス(法令順守)と報告に関して複数の方策を実施することに合意している。
「AdWords」プログラムとは
設定したキーワードが検索エンジンGoogleで検索されると、検索結果ページに広告主の広告が表示されるサービス。検索された単語およびWebページの内容と広告を連動させることで、利用者の興味のある分野の広告を効果的に表示することができ、高い広告効果が期待できる。
雑感
今回の司法省の調査は、数百万ドル規模の詐欺を行ったとされる国際指名手配犯の追跡に端を発したものだ。司法省によれば、メキシコに逃亡したこの指名手配犯は、AdWordsを利用した違法な薬物の販売広告掲載にも手を染めていたという。メキシコの捜査当局がこの指名手配犯を逮捕して、米国のシークレットサービスに引き渡した際、この犯人は捜査に協力し、自らのAdWordsの利用方法について詳細を明らかにした。こういった経緯を経て、Googleがカナダのインターネット薬局に対してAdWords広告の掲載を認めることが連邦法に違反していると判断されたのである。
さらに同省は規制および非規制の処方薬をカナダから米国に出荷する薬局が違法であることを2003年にはGoogleが認識していたと述べている。8年もの間見て見ぬふりをしたつけは過去最大級の罰金という形でかえってきたのである。今回の事件は企業のコンプライアンス意識の重要性を再確認させる良い教訓となるであろう。
関連コンテンツ
新着情報
- ニュース
- 練馬区の訪問購入業者を書類送検、特商法の書面交付義務について2025.12.15
- 静岡県浜松市の住宅で訪問買取をした際に、不備のある書面を交付したとして東京都練馬区の訪問購入業...
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- 弁護士

- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- まとめ
- 中国「データ越境移転促進・規範化規定」解説2024.4.23
- 中国の現行法令上, 香港・マカオ・台湾を除く中国本土内(「境内」)から境外への個人情報等の移転...
- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード
- 弁護士

- 平田 堅大弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒812-0027
福岡県福岡市博多区下川端町10−5 博多麹屋番ビル 401号
- セミナー
松永 倫明 セールスマネージャー(株式会社Cyberzeal、Viettel Cyber Security所属)
阿久津 透 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/東京弁護士会所属)
- 【オンライン】経営と法務が備えるべきサイバーリスク~サイバー攻撃被害の現実と予防策〜
- 終了
- 2025/05/29
- 17:30~18:30
- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間











