EUでサムスン社製品への販売仮差止命令!-アップルvsサムスン訴訟でひとつの判断下る-
2011/08/10 知財・ライセンス, 特許法, メーカー

事案概要
現在スマートフォン市場の世界シェア第1、2位を争っている米アップル社と韓サムスン社との間では現在、特許関連の訴訟が日本を含め世界数カ国で争われている。アップルがサムスンの製品は自社の製品と類似しており、その製品の差し止めを求めるというものであり、それに対してサムスンが反訴を提起して紛争は拡大している。その中でいち早くドイツでひとつの判断がくだされた。
仮差止命令の持つ意味
ドイツのデュッセルドルフ地方裁判所はオランダを除く(オランダでは別の訴訟が係属しているため)EU各国の市場でサムスン製の最新タブレット端末「Galaxy Tab 10.1」の販売停止を命じる仮差止命令を下した。仮差止命令の段階なので、サムスンが控訴した場合この判断が覆る可能性はないわけではない。しかし、判決がくだるまでこの差止命令が維持される可能性もあり、サムスンにとって大きな影響を及ぼす恐れのある判断と言えそうだ。
雑感
スマートフォン業界の中心を担い、競合するだけでなく、部品供給などで協力もしている両者の訴訟の帰趨はこの業界の流れをつかむえ上で重要なものだが、アップルが関わる訴訟はこれにとどまらないし、Android・グーグルなども含めたこの業界での訴訟は次々に提起されている。これらの訴訟の防御手段を得る目的で特許を持つ企業を買収することも盛んに行われている。これらの訴訟・買収合戦が製品の防衛にとどまっていると業界・製品の革新につながらないが、現状ではこの業界の勢いを反映したものであるようにみえる。
この種の訴訟は労力も大変であろうが業界の中心にいればさけられないものとも言える。その意味で日本企業の名前がさほど現れていないのは残念なことであって、攻撃的な訴訟がみられることを期待したいものである。
【関連リンク】
・サムスン端末を販売差し止め=特許侵害、EUで初認定 -時事ドットコム-
・ノキア、首位陥落 - スマートフォン販売台数でアップルが世界1位に -WirelessWire News-
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士
- 大谷 拓己弁護士
- 弁護士法人咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階

- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード

- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分

- 業務効率化
- 法務の業務効率化

- まとめ
- 株主総会の手続き まとめ2024.4.18
- どの企業でも毎年事業年度終了後の一定期間内に定時株主総会を招集することが求められております。...
- 弁護士
- 横田 真穂弁護士
- 弁護士法人咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階

- 解説動画
加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間

- ニュース
- タビオが3750万円分の自己株式取得を発表2025.10.9
- 靴下の製造・販売を手掛ける「タビオ」が最大で3750万円分の自己株式取得をすると発表していたこ...
- セミナー
熊谷 直弥 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 パートナー/第一東京弁護士会所属)
- 【オンライン】2025年春・Web3/暗号資産の法令改正動向まとめ
- 終了
- 2025/04/23
- 12:00~13:00