先生は生徒とチャット禁止!? ミズーリ州のソーシャルメディア規制法について
2011/08/09 海外法務, 外国法, IT
概要
アメリカミズーリ州で制定された「Missouri Senate Bill 54」という法律が話題を呼んでいる。この法律により8月28日からミズーリ州では、Facebookをはじめとしたソーシャルネットワーク上で生徒と教師が「友達」になることが禁止される。
詳細
同法は、具体的には、フェイスブックをはじめとしたソーシャルネットワーク上で、教師と生徒がプライベートな接触(個人的なメール・チャット・ボイスチャットなど)をとることを禁止する。
アメリカでは教師による生徒への性犯罪が問題視されており、今回の法律はこれを防止することが主な目的。
この法律も教師からたびたび性犯罪を受けた被害者の名前を取って、別名「アミー・ヘスティア生徒保護法」とも呼ばれている。
同法に対する州民の反応は、「生徒と教師は基本的に友達になるべきではない」といった好意的な見方から、「個人の交友関係にまで公権力がどの程度介入してよいのか」「フェイスブックのシステムにまで捜査権が及ぶのか」
等といた権力の濫用を危険視する意見もある。
ちなみに、この法律で禁止されるのは直接のプライベートな接触で、例えば教師がFacebookに自分の公式ページを開設し、生徒がそこに書き込むというような公開されたコミュニケーションは可能。
なお、オンライン上での投票によると、生徒との個人的な会話に関して一線を引くべきだと考える人は全体の58%におよんでいて、残りの42%は教育上、必要な方法の一つだと考えているようだ。
感想
日本ではツイッターの情報漏えいが社会的な問題になりつつあるが、アメリカでは一歩進んで双方向の関係についての規制が行われている。
匿名性を重視する日本ではツイッターに比べフェイスブックはポピュラーな存在とは言えないが、いつか日本にもこの種の規制が行われるのだろうか。
時代・技術の進歩と新たに発生した法律問題に直面した気持ちだ。
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