連帯保証の危険を防ぐ、新監督指針が発表される
2011/07/19 金融法務, 民法・商法, 金融・証券・保険

個人連帯保証を原則禁止
金融庁は、今月14日、金融機関に対する監督指針を改正し、金融機関が融資する際には、経営者以外の第三者の個人連帯保証人を求めないことを原則とするとした。第三者が自らの意思で連帯保証人となる場合でも、自発的な申し出であることの客観性を確保するため、金融機関からの特別の説明及び自署・押印された書面の提出などを求めるようにした。本改正監督指針の内容は本指針施行日以降の契約に適用されるが、すでに融資された分についても、新基準の趣旨を十分考慮して、無理な取り立てをしないように金融機関には慎重な対応が求められる。
改正の背景
主に中小企業に対する融資において、返済の確実性を高めるために、経営責任のない知人や親族に対して債務者と同等の負債を負わせる連帯保証には、以前から強い批判があった。金融庁は東日本大地震以前から監督指針改正の検討を始めていたが、震災後の影響で債務者が破産してしまい、保証人に債務を請求する危険性が高まることが懸念されるため、同庁は今回の監督指針の改正を急いだという背景がある。
今後の見通し
金融庁の本指針には原則として外部効果* はない。しかし、監督指針に反して連帯保証を求める金融機関に対しては、銀行法26条を根拠に行政処分が下されることもありうる。ただ、経営者の範囲や経営者以外の第三者の例外範囲がどこまでか等、今後の運用に残した問題も存在する。金融庁が本監督指針の改正を急いだ趣旨を損なわないためにも、金融機関における適正な運用実体が一日も早く構築されることが望まれる。
*ここでいう「外部効果を有する」とは、行政機関が法令の解釈や運用の基準などを示すことによって、「法規命令」(政令、内閣府令・省令、外局規則、人事院規則、会計検査院規則、法律の委任に基づく命令を定めた告示)以外のかたちで私人の権利義務に関わる事項について定めていることを指す(金融庁HP「規制にかかわる通知・通達等」から引用)。
・関連リンク
銀行法
規制にかかわる通知・通達等(PDF)
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