地震…生命保険!!取り巻く法律と、手立て!!
2011/07/04   業法対応, 保険業法, 金融・証券・保険

災害救助法の適用!!

災害により災害救助法が適用された地域の被災者については、生命保険会社によって、以下のような特別措置がなされる。

①保険料払込猶予期間の延長
保険契約者からの申し出があった場合、保険料の払込みについて、猶予する期間を最長6ヵ月延長される。 さらに、3カ月間延長し、最長で平成23年12月末までの延長される。
②保険金・給付金、契約者貸付金等の簡易迅速なお支払い
保険契約者の申し出があった場合、必要書類を一部省略する等により、簡易迅速な支払いがなされる。

災害救助法の適用状況(厚生労働省発表)

(法適用日) 平成23年3月11日
(被害の状況等)
 3月11日の地震発生後、余震が続いており、岩手県、宮城県、福島県、青森県、茨城県、栃木県及び千葉県において、多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じ、避難して継続的に救助が必要となっている。
 東京都においては、大量の帰宅困難者が発生し、避難所において食品等の給与を行う必要が生じている。
 また、千葉県においては、千葉市美浜区、習志野市、我孫子市及び浦安市において多数の住家に被害が生じている。

免除条項の不適用!!

一般的に、災害関係特約については、各生命保険会社の約款上に、特定の状況や条件において、地震による災害関係保険・給付金を削減したり支払わない場合がある旨の規定、すなわち「免責事項」がある。これは、大規模災害等の際に、対象事項をすべて保証することとすると、支払保険料があまりに過大になってしまうこと、保険金目的の行為を防ぐためだ。

生命保険協会によれば、東日本大震災で被災した保険契約については、地震による免責条項等は適用せず、災害関係保険金・給付金(災害死亡保険金、災害入院給付金等)は、約款上の制限に関わらずその全額の支払いをすることを決定し、その旨を全ての生命保険会社から確認しているとのこと。

行方不明者の死亡保険?

民法の「失踪宣告」制度では、災害後(「危難が去った後」)1年が経過しないと戸籍上、死亡扱いはできない(民法30条2項、「その他死亡の原因となるべき危難」)。

遺族年金や労災保険の支給については、「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」の施行に伴う年金の決定に係る特例措置により、3カ月間生死がわからない場合には、地共済法の死亡に係る長期給付(遺族共済年金、支払未済等)の適用に当たっては、地震が発生した日(平成23年3月11日)に死亡したものと推定する特例措置が設けられたものの、この法律の生命保険への適用はない。

生命保険金の受け取りや金融機関の預貯金の引き出しなどは戸籍上の死亡を条件としており、原則的には1年間待たなければいけない状況だ。そこで6月7日、生命保険協会は、1年を待たずに、行方不明者に対する早期の死亡認定等が行われた場合、行方不明者の家族等に対する迅速な保険金支払ができるようにした。
 

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