賠償額1兆円超える!? 原子力損害賠償法から考える福島原発賠償問題
2011/03/22   訴訟対応, 民法・商法, 民事訴訟法, その他

概要

政府は20日、東京電力福島第1原発の事故について、原子力事業者による損害賠償を定めた「原子力損害賠償法(原賠法)」の例外規定を初めて適用し、被害者の損害を国が賠償する方向で検討に入った。補償対象は、避難と屋内退避指示が出た住民約22万人のほか、営業に支障が出た企業や風評被害を受けた農家なども含まれ、政府内には国の賠償総額は1兆円を超えるとの見方が出ている。

原子力損害賠償法について

「原子力損害賠償法(原賠法)」は、あらかじめ原子力事業者に対して原子力損害賠償責任保険への加入等の損害賠償措置を講じることを義務付ける(第6条)と同時に、事故が起こった場合も、原則としてまず原子力事業者に無過失・無制限という大変重い賠償責任を課している(第3条1項)(これは通常の地震でも変わらない)が、その損害が異常に巨大な天災地変によって生じたものであるときは、例外的に賠償責任を負わないとしている(第3条1項但し書)。

今回の東北地震ではこの例外規定が史上初めて適用されることになる見通し。(※ちなみにパリ条約・ウィーン条約では、いかなる天災地変も免責にならない)

雑感

今回の地震については日々報道されているように、日本災害史上類を見ない物であるので、一見例外規定の適応に無理はないように思える。

しかし、原賠法が原則として重い賠償責任を定めた趣旨を鑑みると、そこには原子力事業者に社会的責任の重大さを自覚させるという目的があるのではないだろうか。国が賠償を肩代わりするといっても、それはもともとは国民から徴収した税金である。「十分な対策を講じてなお予見できなかった」という場合に初めて予見不可能だったと主張されることが許されるのではないだろうか?

今回の地震によって対応の不手際が目立ち、内部に抱える様々な問題が浮き彫りになった東京電力。賠償は肩代わりしてもらう一方で、その問題を放置するのは虫が良すぎるかもしれない。

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