ルノー社EV機密漏洩事件、中国が関与か?
2011/01/12 コンプライアンス, 民法・商法, メーカー

フランスの自動車大手メーカー、ルノーの幹部が日産自動車と共同開発中のEVの技術情報を社外に漏洩したとされる事件で、中国の関与の可能性が取り沙汰されている。この事件は、ルノー社の幹部3人(最高幹部1人、EV開発に関わる責任者2人)がEVの構造やコストに関わる技術情報を社外に流出させたとされており、同社は12日に告訴手続きをとるという。同社声明は3人が「企業財産を故意に危険にさらした証拠が集まった」とする。既に社内での事情聴取が行われており、解雇の見通し。漏洩に関与したとされる幹部3人は容疑を否認している。ルノーの15%の株を保有するフランス政府も事件への対応に乗り出す方針を声明している。
機密情報は最終的に中国にわたった可能性が高いと指摘されている。スイスの銀行口座を経由した不審な資金の動きも見つかっており、3人の幹部はフランスの下請企業を通じて中国の自動車関連の交渉相手から接触を受け、中国から多額の報奨金を得た疑いが持たれている。こうした疑惑に対し、中国は12日、関与を否定するコメントを出した。フランス政府も、中国を名指しすることはせず、調査中としている。
もともとフランス国内では、中国は他国の技術を真似するなどして安価な製品を大量生産する「コピー屋」という悪いイメージがあり、フランス国内では中国に対して多くの批判の声が上がっているという。今回の事件の調査を開始したフランスの情報機関「中央国内情報局」関係者が中国の「産業スパイの慣習」に懸念を示しているとする報道もあり、また「中国の情報機関は自動車産業に強い興味を示しており、中国の自動車産業と協力関係にある」とする専門家の談話も報道されている。
映画やゲームの海賊版の大量流通から、上海万博のPRソングの盗用、Ipad発売の際も発売直前から現在に至るまで大量の偽物が出回る等、中国の知的財産権への意識の低さを現す事件は枚挙に暇がない。日本企業が知的財産権の侵害を訴えても、中国政府は積極的に動いてくれないとの話もある。
今回の産業スパイ事件はルノー・日産が多額の資本を投じてきたEVに関する技術情報であり、EVの心臓部であるバッテリーについての情報漏えいは免れたとしても、ルノーや日産が受ける打撃は相当なものだろう。日産社内でも混乱が広がっているとのことだ。
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