株式会社ジェイアール西日本ホテル開発が景品表示法違反
2010/12/13 広告法務, 景品表示法, その他

概要
消費者庁は、株式会社ジェイアール西日本ホテル開発が、同社が運営する飲食店において提供していた料理の取引について、景品表示法第4条第1項の規定により禁止されている同項第1号(優良誤認)の規定に該当する表示を行っていた事実を確認した。
そこで、同庁は、12月9日、同法第6条の規定に基づき、同社に対し、措置命令を行った。
(措置命令)
第六条 内閣総理大臣は、第三条の規定による制限若しくは禁止又は第四条第一項の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。その命令は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、次に掲げる者に対し、することができる。
一 当該違反行為をした事業者
二 当該違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときにおける合併後存続し、又は合併により設立された法人
三 当該違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人から分割により当該違反行為に係る事業の全部又は一部を承継した法人
四 当該違反行為をした事業者から当該違反行為に係る事業の全部又は一部を譲り受けた事業者
なお、本件は、公正取引委員会による調査の結果を踏まえて同庁が措置命令を行うものであった。
違反事実の概要
株式会社ジェイアール西日本ホテル開発が運営する「ホテルグランヴィア京都」と称するホテル内で、同社が運営する「ル・タン」と称する飲食店において、「春の行楽いろどり弁当」と称する料理を提供していた。
同社は、平成22年4月1日から同月27日までの間、来店者に提示したメニュー、駅等において配布したチラシ、自社ウェブサイト及び同年3月31日に配布した新聞折り込みチラシにおいて「よく味の染みた京地鶏と京豆腐に、とろとろ半熟卵を乗せた“鶏すき焼き”」等の、対象商品の鶏すき焼きには京地鶏の肉及び半熟卵を用いている旨の表示をしていたというのである。
調査結果
しかしながら、実際には、対象商品の鶏すき焼きに用いられていた鶏肉は京地鶏の肉ではなく、ブロイラーの肉であり、また、平成22年4月1日から同月12日までの間、半熟卵は用いられていなかったのであった。
上記の表示により、一般消費者は、当該料理の鶏すき焼きには京地鶏の肉及び半熟卵が用いられていると誤認するものであり、これらの表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであった(関係法条:景品表示法第4条第1項第1号)。
(不当な表示の禁止)
第四条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
命令の概要
そこで、消費者庁は、12月9日、株式会社ジェイアール西日本ホテル開発に対し、以下の内容の措置命令を行ったのである。
ア 前記の表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。
<参照リンク>
消費者庁
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