ジャパンライフ元会長 巨額詐欺事件で起訴内容を認める
2021/10/01   消費者取引関連法務, 民法・商法, 刑事法, その他

はじめに
磁気健康器具の預託商法を展開し、詐欺の容疑で起訴されたジャパンライフの元会長、山口隆祥(たかよし)被告(79)の初公判が9月22日、東京地裁で開かれました。山口被告人は起訴内容についてすべて認める旨を述べました。
事案の概要
検察の起訴内容によると、ジャパンライフは平成15年ごろから、磁気治療器を購入した顧客がオーナーとなり、別の客に治療器を貸し出して収入を得る預託商法を展開したと説明しました。そして、最高責任者だった山口被告は平成29年7月に経理担当者からの報告などで元本返済や配当金の支払いの見込みがないことを認識していましたが、顧客の獲得を続けました。さらに従業員に顧客からの返金申請を撤回させるよう指示し、撤回させた従業員に奨励金を支給していたようです。起訴状によると、山口被告は平成29年7~12月、元本返済や配当金の支払いを継続できる見込みがないにもかかわらず嘘をつき延べ23人の顧客から計約1億6500万円を詐取したとされています。また警視庁などの合同捜査本部によると、磁気健康器具で計約2100億円を集めたとされています。
預託商法とは
預託商法とは、商品を販売すると同時にそれを預かり、第三者に貸し出すなどして、運用して得られた利益を後で購入者に還元すると告げて高額な商品を消費者に購入させる商法のことをいいます。消費者庁でも悪質な預託商法に関し注意喚起をしていますが、企業としては預託商法をするにあたり以下の点に気を付けるべきです。まず、高い利率による利益配当や元本保証をうたい購入を勧誘することです。次に、購入された後に預かった商品を運用し利益をほとんど出さないことです。これらのことに気を付けなければ、元々利益の支払いをせずに購入を勧誘したのではないかと疑いをかけられ、最悪の場合、詐欺の容疑で起訴されてしまいます。
過去の行政処分の例
WILL(株)(ウィル)がテレビ電話アプリなどの各種アプリが読み込まれたUSBメモリを預託商法で販売していたところ、消費者庁により行政処分を受け、15か月もの間業務を停止しました。
コメント
世の中には法に抵触するか否かギリギリのところで事業を展開している企業も少なくありません。例えば、ファクタリングや販売預託商法、マルチ商法など、合法と違法との境界線が不明瞭なものがあります。企業法務従事者としては、自社の事業が法律に抵触するかどうか正確に判断し、時にはセカンドオピニオンを求めるなどをし、事業の健全化に努めるべきでしょう。
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