武富士、ついに会社更生法適用を申請へ
2010/09/27 事業再生・倒産, 倒産法, 破産法, 金融・証券・保険

かねてから資金繰り悪化が噂されていた消費者金融大手の武富士が、近く会社更生法の適用を申請する方向で最終調整に入ったことが分かった。帳簿上の負債額は約4330億円、現時点で顕在化していないいわゆる「過払い金」の返還負担を含めれば、更に負債額は膨れ上がるものと思われる。
武富士は、今回の更生により、過払い金の返還額をはじめとした債務を大幅に圧縮するとともに、人員削減、店舗数縮小、更に新規スポンサー開拓をして行うことによって再建を目指すものと見られる。
ピーク時には口座数300万、貸付残高1兆7000億円を誇った武富士が今回のような事態に陥った背景には、言うまでもなく2006年1月の最高裁判決(最判平成18年1月13日民集60巻1号1頁)以降の過払い金請求問題がある。武富士は顧客からの返還請求に対し、個別に返還期日の延期や返還金額の減額の交渉を行うなど、負担軽減を模索してきた。ところが、2007年以降返還金額が年1000億円前後となり、更にはリーマン・ショック以降は市場での資金調達も難しくなり、手元資金確保のため、昨年末からは事実上新規の貸し出しはほぼ停止状態にあった。
今年6月の改正貸金業法施行以降は、融資額が顧客の年収の3分の1以下に制限する「総量規制」が定められるなど、業界そのものの雲行きも怪しい中、スポンサー探しを進展させ、再建を模索するためには、返還負担を可能な限り圧縮すると共に、早期に額を確定することが必要との経営判断もあったものと思われる。
顧客にとっては、返還額のカットは必至の情勢となり、不満が高まることが予想される。しかしそれ以上に、過払い金請求に伴い貸金業界全体をめぐる経営環境が厳しくなり、更には総量規制に伴い新規の融資も著しく減少する中、融資を受けられず、いわゆる「ソフト闇金」に走る顧客が増加するのではないかという点が重大な問題である。
ソフト闇金は厳しい取り立てを行ったりしないため、消費者は安易に手を出してしまいがちであるが、結局債権を暴力的な取り立てを行うような闇金に転売するため、最終的には消費者は非常に危険な取り立てを受けることになってしまう。闇金には決して手を出さないよう、注意しなければならない。
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