軽貨物運送の代理店契約でトラブルが発生しています
2010/09/08 契約法務, 消費者取引関連法務, 特定商取引法, その他

軽貨物運送の代理店契約でトラブルが発生しています
1 はじめに
国民生活センターには現在、軽貨物運送の代理店契約に関する相談が多く寄せられているとのこと。高収入を確実に得ることができる、代理店になれば確実に仕事を紹介する、といった広告文言で軽貨物運送の代理店契約者を募り、仕事に必要との理由で軽自動車等の契約をさせるものの実際に仕事をはじめてみると十分な収入を得ることがでいない、仕事が紹介されない、といったトラブルが増えている。
国民生活センターは、断定的な表現や、誰でも高収入が得られると思わせるような広告、説明には注意し、将来えらるという収入で支払うことを前提とした契約は避けるよう呼びかけている。
国民生活センターによると2000年度以降に5,186件あり、2005年度以降も2,414件寄せられている。傾向を見ると2007年度まで減少傾向を示していたが、2008年度、2009年度と増加しているとのこと。年齢別に見ると、50歳代が31パーセントと最も多く、次いで40歳代が25パーセント、60歳代が20パーセントであり、中高年の世代が目立つ。男女別に見ると男性が93パーセントと圧倒的に多い。職業別に見ると、無職が39パーセント、自営業・自由業が31パーセント、給与受給者が28パーセントとなっている。
2 民生活センターに寄せられた具体的事例
長崎県の30代男性は「仕事を多数紹介します」等と書かれた折込広告をみて業者の説明会に出向いた。「車は必要だが、新車じゃなくてもいいので、高額な資金は必要ない」「入会金などとして約60万円を支払う必要はあるが、収入が得られるので簡単に支払える」とせつめいされ契約した。車は業者に紹介してもらった中古車販売店から購入し、クレジットを結んだ。車が届き、業者に「貨物軽自動車運送事業経営届出」をしてもらい業務を開始したが約2ヶ月で5回しか仕事が紹介されず、車のクレジットの支払いもできないので解約したいと相談したという。
2 民生活センターに寄せられた具体的事例
長崎県の30代男性は「仕事を多数紹介します」等と書かれた折込広告をみて業者の説明会に出向いた。「車は必要だが、新車じゃなくてもいいので、高額な資金は必要ない」「入会金などとして約60万円を支払う必要はあるが、収入が得られるので簡単に支払える」とせつめいされ契約した。車は業者に紹介してもらった中古車販売店から購入し、クレジットを結んだ。車が届き、業者に「貨物軽自動車運送事業経営届出」をしてもらい業務を開始したが約2ヶ月で5回しか仕事が紹介されず、車のクレジットの支払いもできないので解約したいと相談したという。
3 本契約の問題点
このようなトラブルを防ぐため特定商品取引法では業務提供誘引販売取引という取引形態を定め、契約者を保護する様々な規定を設けている。
しかしクーリングオフの規定が適用されるためには「業務を事業所等によらないで行う者」が契約を行う必要がある。 軽貨物運送の仕事をするためには、貨物軽自動車運送事業の経営届出をする必要があり届出書には営業所の住所を記載しなければならないため、代理店を募る業者側はあくまで「事業所を構えて業務を行う者」との契約だと主張しクーリングオフに応じずトラブルとなる。
また相談者は、代理店を募る業者、車のリース会社、クレジット会社等と契約を結んでおり、交渉相手が複数となるため事案が複雑化し解決に向けた交渉が難航する。
4 契約を結ぶ際のアドバイス
国民生活センターは以下の点に注意するよう呼びかけている
・将来得られるという収入で支払うことを前提とした契約を避ける。
・仕事を確実に紹介する、収入を確実に得ることができる、という断定的な表現をしている広告、説明には注意する。
・説明を受けた際には、報酬、業務内容、業務場所、時間等の条件を書面などで具体的に確認し、契約すようにする。
<参考文献等>
・独立行政法人国民生活センター 「独立開業で高収入?」軽貨物運送の代理店契約に関する相談が再び増加!-支払いできず、多重債務に陥るケースも- | ![]() |
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