今月から開始、レジ袋有料化制度について
2020/07/08   法改正対応, 法改正, その他

はじめに

 プラスチック製買物袋を有料化する制度が今月1日より開始しました。これによりスーパーなどの小売店でレジ袋が原則として有料となります。今回は容器放送リサイクル法改正によるレジ袋有料化制度を見ていきます。

制度の背景

 プッラスチックは利便性が高く、国民生活に欠かせない資源となっております。しかし一方で廃棄物の増加による海洋ゴミ問題や地球温暖化といった地球規模の環境問題にもつながっていると言われております。そこで昨年5月、政府は「プラスチック資源循環戦略」を策定し、これまで運用されてきた容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)を改正してレジ袋無料配布禁止を行うことによりプラスチック廃棄物の減量を図ることとしました。当制度は2020年7月1日から全国一律で開始しております。

対象となる事業者

 経産省のガイドラインによりますと、対象となる事業者は、その事業において容器包装を用いる者であって、容器包装の過剰な使用の抑制その他の容器包装の使用の合理化を行うことが特に必要な業種として政令で定めるものに属する事業とされております(7条の4)。具体的には、①各種商品小売業、②織物・衣服身の回りの品小売業、③飲食料品小売業、④自動車部品・付属品小売業、⑤家具・機械器具小売業、⑥医薬品・化粧品小売業、⑦書籍・文具小売業、⑧スポーツ用品・玩具・娯楽用品・楽器小売業、⑨タバコ・喫煙具小売業となっております。なお小売業以外の事業を主に行っている場合でも、事業の一部として小売業を行っている場合には適用があります。たとえば美容サロンで美容グッズも販売するといった場合です。

対象となる買物袋

 対象となる買物袋は、消費者が購入した商品を持ち運ぶために用いる、持ち手のついたプラスチック製買物袋とされております。そして例外として、①プラスチックフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの、②海洋性分解性プラスチックの配合率が100%のもの、③バイオマス素材の配合率hが25%以上のものは有料化の対象外となります。ある程度の厚さのある袋は繰り返し使用することが想定されており、海洋生分解性のものは海洋ゴミ削減に反せず、バイオマス素材であれば温暖化対策に寄与するとされるからです。

判断基準

 無料化の対象に該当するかの判断基準として、まず袋と言えるかが挙げられます。開口部があり柔軟な素材でできた中に物を入れられる容器であり、社会通念上袋と言えないものは該当しません。そして主たる素材がプラスチックであることが必要です。重量比で最も大きな比率をプラスチックが占めているということです。そして商品をいれるための袋であることも必要です。景品や賞品、試供品、有価証券、切符、切手、入場券などを入れるための袋やクリーニングの袋も対象外とされております。

コメント

 以上のように小売業で商品を入れるためのプラスチック製袋は今月1日から無料で配布することが禁止とされております。違反した場合には行政処分や罰則の対象となっております。しかし上記のように海洋生分解性のものやバイオマスプラスチックが使用されているものは対象外となっており、これまでどおり消費者に無料配布することが可能です。牛丼大手の吉野家もコロナウイルスの影響で早く店舗から出たいという消費者のためにバイオマス袋を使用して袋の要否を確かめる手間を省いていると言われております。該当する小売業を営んでいる場合は、制度内容を正確に把握してプラスチック以外の袋の検討をすることも重要と言えるでしょう。

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