レオパレスが臨時株主総会、総会検査役とは
2020/03/06 商事法務, 総会対応, 会社法

はじめに
施工不良問題で揺れるレオパレス21は先月27日、臨時株主総会でファンドが提案していた取締役1人の選任案を否決していたことがわかりました。株主総会の手続き等に不備が無いかをチェックする総会検査役が選任されていたとのことです。今回は会社法が規定する総会検査役について見ていきます。
事案の概要
報道などによりますと、レオパレス21の大株主である村上ファンド系投資会社「レノ」(渋谷区)は臨時株主総会の開催と取締役1人の選任案を株主提案しておりました。通常の株主総会決議では参加株主の拍手などで行うことが多いとされますが、今回の株主総会では厳格に投票形式が取られたとされます。また総会の手続きチェックのため東京地裁により総会検査役が選任され同席してました。レノ側は提案していた選任案は否決されたものの、社外取締役が増員されたことに一定の評価をしているとのことです。
総会検査役とは
株主総会の招集手続きや決議方法などに不備があった場合、株主総会決議取消訴訟や決議不存在確認訴訟が提起されることがあります。そういった事態に備え総会検査役を選任しておくことが可能です(会社法306条)。総会検査役は株主総会の手続き等を調査し報告書を作成して裁判所に提出し、会社に対してもその写しが提供されます(同5項、7項)。後日株主総会決議取消訴訟が提起された場合はその報告書を証拠資料とすることが可能となります。
総会検査役の選任手続き
総会検査役選任の申立は会社と議決権の1%以上を保有する株主(公開会社では6ヶ月以上保有)が行うことができます(306条1項)。申立先は会社の本店所在地を管轄する地方裁判所で審問を経て検査役が選任することとなります。なお検査役の調査に要した費用と検査役の報酬は会社が負担することとなります(同4項)。
総会検査役の検査事項
総会検査役は上記のとおり株主総会の招集手続きと決議方法について調査することとなります。具体的には招集手続きに関しては①取締役会での招集決定決議、②株主に送付された招集通知とその内容、③株主提案への対応などが挙げられます。そして決議方法に関しては①出席株主の数と定足数、②議事運営、③委任状、④議決権行使の方法、⑤役員等の説明責任の履行などが考えられます。なお検査役のこれらの調査を妨害した場合には100万円以下の過料が科される場合があります(976条5号)。
コメント
本件でレオパレス21はかねてからの施工不良問題に絡む経営再建案についてレノ側と対立が生じており、今回の株主総会でも役員の選任や解任について株主提案がなされておりました。このように株主提案や委任状勧誘等が盛んに行われている場合には後日決議の有効性を巡って訴訟に発展することも予想されます。そういった事態に備え会社または一定の議決権を保有する株主は予め総会検査役の選任を申し立てることができます。総会検査役は後日の紛争を防ぎ、また紛争が生じたときの証拠保全の役割を担っていると言われております。経営陣内部で対立している場合や、株主が会社提案に反対すべく委任状勧誘を行っている場合には総会検査役の選任も検討しておくことが重要と言えるでしょう。
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