内部統制システムとは
2017/05/25   コンプライアンス, 金融商品取引法, 会社法

内部統制システムとは

 会社法によりますと内部統制システムとは「取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制」とされております(362条4項6号)。また金商法では「会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制」(24条の4の4)と定義されております。この点について、(社)日本監査役協会では、内部統制システムを「すべての会社において取締役が会社を事業目的に沿って適切に運営するために本来必要なもの」と定義付けています。

内部統制システムの整備が義務づけられている会社とは

 取締役会設置会社のうち大会社については取締役会で整備することが義務付けられております(会社法362条5項)。なお、「大会社」とは、資本金が5億円以上又は負債の額が200億円以上の会社とされています(会社法2条6号)。
 また、内部統制システムについては監査役の監査の対象となり(436条)、事業報告書にも記載することになります(435条2項、施行規則118条2号)。

内部統制システムの趣旨

内部統制システムの趣旨は以下の4つがあります。
①リスク管理
②法令等遵守
③業務の効率化
④適正な財務報告

内部統制システムの内容

 では内部統制システムとは具体的にどのようなものでしょうか。会社法施行規則100条では構築すべき体制が挙げられております。具体的には以下のとおりです。
①取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
②損失の危険の管理に関する規定その他の体制
③取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
④使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
⑤当該会社、親会社、子会社からなる企業集団における業務の適正確保のための体制
⑥監査役が補助使用人を求めた場合の使用人に関する事項
⑦監査役スタッフの取締役からの独立性に関する事項
⑧取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の報告に関する体制
⑨その他監査役の監査が実行的に行われることを確保するための体制

内部統制システムに関する判例

 内部統制システムとして構築すべき体制は上記列挙されているとおりですが、具体的にどの程度のものが必要とされているのでしょうか。言い換えるならどの程度のものが整備されていれば任務懈怠責任を負わないのでしょうか。
 この点につき判例は、従業員の架空計上で内部統制システムの不備による任務懈怠責任が株主から追求された事例で①代表取締役が通常想定される不正行為を防止し得る程度の管理体制を整えていたこと、②不正行為が通常容易に想定し難い方法によるものであったこと、③不正行為の発生を予見すべき特別な事情も見当たらないこと、④リスク管理体制が機能していなかったといえないこと、に該当する場合は任務懈怠はないとしています(最判平成21年7月9日 日本システム技術事件)。

コメント

 内部統制システムは会社法等の各種法令で構築が義務付けられてはおりますが、その具体的内容については未だ不明確でどの程度のものを整備しておけば問題はないと言える基準は存在しません。そこで上記判例を手がかりに、通常想定し得る問題を管理できる体制は最低限押さえておき、任務懈怠と評価されないだけのシステム構築を目指すことが重要と言えるでしょう。

参考サイト

取締役会の職務~内部統制システムの整備(弁護士法人クラフトマン)

コンプライアンスと内部統制システム

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