労働者派遣法改正により「専門26業務」に期間制限導入、優秀な派遣社員を確保できるか?
2015/10/14   労務法務, 労働者派遣法, その他

1、人材を確保することができるか?
 改正労働者派遣法が先月30日に施行された。従来、専門的な知識や技術を必要とするいわゆる「専門26業種」は企業が労働者を受入れる期間に制限がなかった。改正により受入れる期間に3年という期間制限が課されることとなった。
 10月12日付けの日本経済新聞・朝刊第13面は、企業間では人材をつなぎとめるために様々な取り組みが進みそうだと報じている。
果たして優秀な人材をつなぎとめることができるか?
2、今の現状は?
 厚生労働省によると2014年6月1日現在でいわゆる「専門26業種」に該当する派遣労働者は約49万人である。いわゆる「専門26業種」の中には、ソフトウェアー開発などの特殊技能が必要なものから文書の整理保管といった事務まで含まれる。現状では、、ソフトウェアー開発等の専門性の高い人材に需要が高い。
3、では優秀な人材をつなぎとめる手段は?
 優秀な人材を確保するための方法は大きく分けて3つあると上記記事は伝えている。
 一つ目は、期間が3年を超えた派遣社員を直接正社員として雇用する手段である。この方法は特にIT関連の企業で広がると考えられている。
 ソフトウェアー開発などの専門性の高い分野では一から人材育成するよりも企業の負担が軽いからである。
 二つ目は、派遣元が派遣労働者を正社員とする動きである。この方法は、優秀な人材に3年を越えて働いてもらいたいという派遣先のニーズに応えたものである。この場合、労働者は、派遣元から正社員として派遣されるため期間の制限がなく3年を越えて派遣先で継続して労働することができる。
 三つ目は、受け入れ先の企業内で派遣社員を異動させる方法である。この方法は、3年の期間制限があるのは業務のまとまのある部署単位によることによる。この場合、課を異動すれば企業は3年を越えて労働者を雇用することができる。
4、まとめ
 では、上記3つ方法で優秀な人材を確保することができるだろうか。派遣先企業が直接正社員とする方法では、確かに専門性の高い分野では優秀な人材を確保することにつながると思われる。しかしながら、この方法では、派遣先企業の人件費が増えてしまう。コストの面からあまり現実的な方法ではないだろう。
 そして、派遣元が派遣労働者を正社員とする方法と派遣先の企業で部署を異動させる方法では、派遣先企業の人件費が増えることはなく優秀な人材をつなぎとめることができる。コストと優秀な人材を継続して雇いたいという派遣先企業のニーズにあうものではないだろう
か。ただし、派遣先の企業で部署を異動させる方法では注意が必要である。国が3年の期間制限を課したのは3年で区切ることで正社員化を図るためだと説明し
ている。このことを踏まえると三つ目の方法では労働者が派遣労働者であることは変わらず上記国の説明に沿わないものとなってしまう。

※労働者派遣法40条の2第1号に規定する政令で定める「専門26業務」
 1)ソフトウェア開発 2)機械設計 3)放送機器等操作 4)放送番組等演出 5)事務用機器操作 6)通訳・翻訳・速記 7)秘書 8)ファイリング
 9)調査 10)財務処理 11)取引文書作成 12)デモンストレーション 13)添乗 14)建築物清掃 15)建築設備運転・点検・整備 16)案内・
 受付・駐車場管理等 17)研究開発 18)事業の実施体制等の企画・立案 19)書籍等の制作・編修 20)広告デザイン 21)インテリアコー
 ディネーター22)アナウンサー 23)OAインストラクション 24)テレマーケティングの営業 25)セールスエンジニアリングの営業 26)放送番組等における大道具・小道具
※26業務の中から分離・新設され現在では28業種に分類される。具体的には、貿易(取引先文書作成)が新設され、上記16)のうち駐車場管理が分離しました。

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