総務省 スマホクーリングオフ来年度導入
2014/12/10 消費者取引関連法務, 特定商取引法, その他

事案の概要
現行の特定商取引法に基づくクーリングオフ制度(契約後8日以内であれば無条件で解約できる制度)は、通信サービス契約を適用外としている。しかし、近年、スマートフォン契約等通信サービス契約において「電波が繋がらない」「通信速度が遅すぎる」等のトラブル相談が多数報告されている。また、訪問販売の場合、高齢者が販売員に勧められるままに不必要な契約をしてしまう事例も多い。
このような状況を受けて、総務省は、電気通信事業法に通信サービス契約の解除に関する規定を定める方針である。
ただし、2014年9月18日、総務省はスマートフォンに関する契約(端末購入契約及び回線契約)のうち、端末購入契約に対するクーリングオフ制度導入については見直す旨示している。これは、端末返品にかかるコストの増大が販売店の負担として重すぎることや、契約時の説明が長くなり購入時の消費者の負担も重くなることについて、携帯販売業界から反発を受けてのことである。
現状では、来年度導入のクーリングオフ制度は、スマートフォンに関する契約のうち回線契約のみに適用されるにとどまる。
もっとも、携帯大手は端末にSIMロック(特定キャリアしか利用できないようにかけられている制限)をかけているため、回線契約のみを解除する利用者は想定し難い。この問題に対し、総務省は、携帯大手にSIMロック解除を義務付ける方針を固めている。
コメント
仮にSIMロック解除が義務付けられた場合、回線契約の解約が容易になり、その分消費者の契約に対するハードルは格段に下がる。その結果、消費者についても、試用感覚でのキャリア乗り替えを目的とした契約・解約をすることが考えられる。それに対し、販売店としては、思い違い等を理由とする解約を防止すべく、販売時の説明を強化することが考えられる。
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