香港民主化デモ 対話が実現し収束するか
2014/10/03 海外法務, 海外進出, 外国法, その他

対話の合意
香港で発生していた民主化デモは大きな広がりを見せていたが、デモを主導する民主派のグループと政府側が対話をすることで合意した。これによりデモが収束するか注目される。
デモの原因
香港は1997年にイギリスから中国に返還された。その際に50年間の高度な自治が認められ、経済活動や言論の自由が認められた(一国二制度)。中国の全国人民代表大会は2014年8月に香港行政のトップ行政長官の選挙を普通選挙にする一方、指名委員会が候補者を選別することを決めた。指名委員会は中国政府の意向が強く働いており、事実上の民主派の立候補自体を封じる狙いがある。
デモの発生と広がり
これに対して9月末に民主派は完全な普通選挙の実現と、親中国的な姿勢をとり続けた現行政長官の梁振英氏の辞任を求めてデモを開始した。デモは多くの香港市民の支持を得て、10万人規模にまで膨れ上がるなど大きな広がりをみせた。幹線道路・繁華街で始まったデモは香港政府の庁舎を包囲するまでに至っている。また国際社会の多くはデモを支持する声明を発表している。
デモの影響
一方このデモにより道路や繁華街が占領された結果、旅行シーズンにもかかわらずホテルのキャンセルが相次ぐなど経済的な影響が出始めている。また香港には金融や流通などの国外企業が多く進出しており、デモが長引いた場合や過激化した場合それらの企業が撤退することも予想される。
そして中国政府が1989年の第二次天安門事件のような強硬手段をとった場合、一国二制度のもとで自由な言論・経済活動が許容されていた香港の自治が崩壊し多くの国外企業の撤退が予想される。中国政府は民主化を要求するデモが本土に飛び火することを恐れており、このような手段を取る可能性もないとはいえない。
今回の対話に合意したことにより、民主派の要求はどの程度受け入れられるか、デモ自体が収束するかが注目される。
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