厳しいと定評のある京都、景観条例が完全施行
2014/09/01   広告法務, 民法・商法, その他

事案の概要

今月1日、京都市屋外広告物条例が施行された。本条例は2007年に制定されたものであり、移行に対応するための7年間の猶予期間を経て完全に施行された形だ。
本条例は古都京都の景観を守るために制定されたものである。

主な規制の内容としては

1.良好なスカイラインを形成し、美しい都市景観を創出するための屋上屋外広告物設置の禁止及び建物に取り付ける袖看板等の高さの規制
2.刺激的で強い光は都市の景観に支障をきたすことを理由とした、点滅式照明・可動式照明の禁止

等がある。その他看板の大きさや色・デザインについて細やかな基準が設定されたり、窓ガラスの内側にポスターを貼る場合、屋外に向けたものについては窓をふさぐ割合に制限を設けるなど、細部にわたる規制が設けられている。

条例に違反した場合には、1年以下の懲役又は最大50万円の罰金が科され、違反業者名の公表や、広告物の強制撤去の措置がとられる。

コメント

本条例制定により「ビルから道路に突き出ていた看板がなくなり、見晴らしが良くなった」「京都らしくていい」という意見も出ている。

その一方、是正費用は広告物所有者の自己負担とされており、7年間の経過措置はあるものの、看板の撤去費用や交換費用も高く、一部では不満の声も上がっている。4年前に比べ違反広告物は3分の1以下まで減少したものの、未だ9000ほどの違反広告物があるとされており、今後違反広告物をめぐって争いが生じるものと考えられる。

中には看板をつぶして店をやめようかと思うくらいの売り上げしかないと悲鳴をあげている業者もある。京都は今年、アメリカの大手旅行雑誌で人気観光都市世界一に選ばれた観光都市であり、日本の古都として景観は重要視されているが、京都で暮らす市民の声との調整が今後も必要となろう。

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