外務省 日本ブランド海外発信強化のため「ジャパンハウス」 創設へ
2014/08/28   法務相談一般, 民法・商法, その他

事案の概要

 外務省は、領土や歴史認識を巡る日本の立場や主張の海外への発信を強化する方針で、複数の海外主要都市に新たな広報拠点施設「ジャパンハウス」を創設するなどを盛り込み、平成27年度予算案の概算要求で約500億円を計上することにした。
 領土や歴史認識に関する日本の立場について国際社会に正しく理解してもらうほか、日本の伝統文化や日本の技術など「日本ブランド」の情報を幅広く発信して、各国の人たちに日本に対する理解を深めてもらうことを目的する。
 また、「ジャパンハウス」の創設のほか、学生や企業関係者の人材交流の活発化、海外での日本語教育の拡充、日本企業の海外進出支援も概算要求に盛り込む方針である。

コメント

外務省が、対外発信拠点「ジャパンハウス」整備を急ぐ背景としては、中国や韓国が領土や歴史認識を巡って独自の主張を繰り返していることを踏まえ、黙っていても分かる人には分かってもらえるという日本人の美学は通用せず、日本の立場や主張を積極的に海外へ発信する必要性が高まっているからである。
これまでにも外務省では、日本の外交政策や一般事情等に関する情報を海外に発信するため、広報文化外交として国際交流基金とも連携し、日本の伝統文化やポップカルチャーをはじめとした日本の魅力を諸外国に紹介するとともに、海外における日本語の普及への支援にも取り組んできている。 
企業にとっては、海外へ進出するに当たっての留意点として、現地市場の情報収集・自社情報の発信、現地従業員の雇用、異文化理解、治安の悪化などがある。政府主導での海外発信拠点の創設によって、特に大企業に比べて経営資源に劣後する中小企業が海外展開を行なう際には、大きな力となる可能性がある。
 しかし、心配な点もある。今回の「ジャパンハウス」創設の最有力候補地は英国のロンドンということだが(その他の候補地としては、米のロサンゼルス、ブラジルのサンパウロ、トルコ・イスタンブール、中国・香港も検討している。)、そこに限らず主要都市であれば、土地を購入し建物を建てるだけでも、相当な費用が生ずる。また、民主党政権下の事業仕分けにおいて多く取り上げられた「ハコモノ事業」のように建物だけが立派で内容のないものとならないだろうか。企業にとって海外事業の有効なツールとなる対外発信拠点となることが望まれる。

関連サイト

広報文化外交日本ブランド発信事業

シェアする

  • はてなブックマークに追加
  • LINEで送る
  • 資質タイプ×業務フィールドチェック
  • TKC
  • 法務人材の紹介 経験者・法科大学院修了生
  • 法務人材の派遣 登録者多数/高い法的素養

新着情報

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビの課題別ソリューション

企業法務人手不足を解消したい!

2007年創業以来、法務経験者・法科大学院修了生など
企業法務に特化した人材紹介・派遣を行っております。

業務を効率化したい!

企業法務業務を効率化したい!

契約法務、翻訳等、法務部門に関連する業務を
効率化するリーガルテック商材や、
アウトソーシングサービス等をご紹介しています。

企業法務の業務を効率化

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビに興味を持たれた法人様へ

企業法務ナビを活用して顧客開拓をされたい企業、弁護士の方はこちらからお問い合わせください。