日本企業12社 独禁法違反で調査開始-中国
2014/08/08 独禁法対応, 独占禁止法, その他

事案の概要
中国の国家発展改革委員会は日本の自動車関連企業12社を独占禁止法違反の疑いで調査していると発表した。同委員会の発表では容疑への言及がなかったが、価格カルテルによる価格つり上げの疑いだとみられている。容疑が認められれば高額の課徴金が課されるだけでなく、価格引き下げを行わざるを得ない可能性がある。
同委員会はアウディー(ドイツ)、クライスラー(アメリカ)などの欧米の企業に対しても同様の調査を行っていると発表した。
これらの背景には外国企業に打撃を与えて、国内産業の育成を図ることが目的という指摘もある。
コメント
現在のところ価格カルテルの有無、実態について詳しいことは判明していない。
それぞれの国にはそれぞれの独占禁止法があり(中国の独禁法は2008年8月に施行)、それに違反しているなら価格引き下げや課徴金を課されることもやむを得ない。
一方価格カルテルが行われていないにもかかわらず、高額の課徴金を課したり価格引き下げを行わせると、企業は予想をしていなかった損害を被ることになる。予想外の損害は海外企業には”チャイナリスク”と認識され中国市場を避けることにつながる。
海外の企業としては中国に進出したことによって予想外の損害を受ける恐れがある。同様の事例が続くのであれば、リスク回避の手段として合弁企業の設立、撤退を検討する必要が生ずる恐れがある。現状維持を含めてそれぞれメリット・デメリットがあるため、海外企業としては同様の事例が続くか注視し、現状維持・合弁企業の設立・撤退のいかなる選択をするか判断する必要がある。
中国としてもチャイナリスクと認識されてしまうことは、外国企業との取引が減少してしまうことに繋がり大きな損失を出してしまう。独占禁止法の目的である「市場の公平な競争」(中国独占禁止法1条、日本の公正取引員会の邦訳)を達成し、チャイナリスクと海外企業から認識されないようにするためには、上記の国内産業の保護育成という目的ではなく公正な調査が求められる。
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