日本ハム、ウインナー9254パックを自主回収
2014/07/17 コンプライアンス, 広告法務, 食品衛生法, その他

事案の概要
2014年7月16日、日本ハムは、主力の中元商品に入っているウインナーソーセージ計9254パックを自主回収すると発表した。自社農場以外の国産豚肉を使用したのに「自社農場」と虚偽表示していたことが判明したため、自主回収することにしたという。なお、商品の安全性に問題はないとしている。
同社が徳島県の製造工場に原料の豚肉を出荷する際、パソコンで出荷伝票を作成する担当者が「国産豚肉」とすべきところを、誤って「国産豚肉の自社農場限定」と入力したことが原因とみられている。日本ハムの別の担当者が単価をチェックしていた際に、自社農場の豚肉の単価より安いことに気付き判明した。
コメント
食品の表示違反があった場合、事後に表示を訂正することが可能であるから、JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)や食品衛生法に回収命令の規定はない。これに対して、健康被害の場合、その拡大を防ぐため、食品衛生法上、回収命令がだされたり(法54条)、食品事業者による自主回収が行われることがある。
今回のケースで日本ハムは商品の安全性に問題はないとしていることから、健康被害が原因ではなく、あくまで企業のブランドイメージという社会性の観点から自主回収の判断に踏み切ったものと思われる。法的に違反はなく、多大な費用をかけることになるが、ブランドイメージという無形の財産を守るため、今後も同様の対応をとる企業が増えることが予測される。
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