ベネッセHD、顧客情報漏洩 最大2070万件
2014/07/10 コンプライアンス, 情報セキュリティ, 個人情報保護法, その他

事案の概要
ベネッセホールディングス(HD)は、2014年7月9日、760万件の顧客情報が漏洩したと発表した。原田泳幸会長兼社長は「再発防止と情報の拡散防止に真摯(しんし)に取り組む」と謝罪するとともに「(前社長で)副会長の福島保氏と取締役の明田英治氏が全容解明の段階で引責辞任する」ことを明らかにした。
6月下旬から、通信教育事業を手掛けるIT事業者からのダイレクトメールが顧客に届き始め、顧客から問い合わせが急増していた。これを受けて社内調査を進めたところ、特定のデータベースから顧客情報が何らかの形で外部に持ち出されていたことが分かった。
ベネッセホールディングスは、IT事業者がベネッセの顧客リストに基づいて営業をしている可能性があると判断し、調査を実施。その結果、760万件の漏洩を確認した。対象となっているのは、通信教育「進研ゼミ」を含むサービスで、漏れたのは子供や保護者の住所や氏名、電話番号、子供の性別や生年月日などとされている。
また、データベースに保管されている件数から推定し、最大2070万件が外部に漏れている可能性もあるという。
進研ゼミはベネッセの国内教育事業の柱で、4月時点で365万人の会員がいる。
コメント
ベネッセホールディングスに対する問い合わせが急増した時期は6月下旬で、発表にいたるまでの期間は短かかったので、顧客に対する不安を最小限にとどめることができたといえる。応急処置としては適切だったのではないだろうか。
今後は、正確で詳細な事実関係の把握が求められる。その上で、企業法務としては、捜査機関との連携を図るべきか、内部関係者の懲戒処分はどのようにすべきか、被害者に対する損害の補償についてはどのよう行なうべきか等について検討することが必要となる。同時に、再発防止策として情報管理体制をどのように再構築していくかも考えていくことになると思われる。
なお、過去には、大学主催の講演会に際し収集された参加学生の学籍番号、氏名、住所及び電話番号を無断で警察に開示した問題で、慰謝料5000円の支払いを認めた判例がある。また、エステティックサロンの開設するウェブサイトで、無料体験や資料送付等に応募した者の氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報が、エステティック会社が業務委託した会社から流出した問題で、会社に対し、慰謝料3万円の支払いを認めた判例もある。
ベネッセホールディングスは、前述のとおり、早期に発表・謝罪をし、取締役の辞任など責任の内容も明らかにしている。このことから、今回のケースでは和解となり、慰謝料も2つの判例ほどの額にはならないのではないだろうか。
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