非正規社員も正社員と同様に働いている!!~東京メトロの契約社員が正社員との「格差是正」を訴える~
2014/06/23 労務法務, 労働法全般, その他

事案の概要
誰もがよく知っている 東京メトロ(地下鉄)駅構内の売店の店員さん。同じ仕事をしているように見えても、有期契約社員と正社員とでは待遇が全く異なっている・・・!?
6月19日、東京メトロ(地下鉄)の売店で働く有期契約社員らが、正社員との間に「賃金格差」があるのは労働契約法20条に違反するとして、東京メトロのグループ会社「メトロコマース」を訴えた裁判についての第1回口頭弁論が行われた。
従来から、有期契約労働者は、正社員と同様の職務を遂行しているにもかかわらず、正社員との間で待遇の格差が大きすぎるという点が指摘され、問題とされてきた。そこで、2013年4月に施行された改正労働契約法20条は、有期雇用を理由とした不合理な労働条件の格差を禁じている。今回の裁判は、同条を根拠とした全国でも初めての裁判ということで、その行方に注目が集まっている。
同条は、有期契約社員と正社員の「労働条件を完全に平等に取り扱う」ことを求めるものではなく、正社員との間で「労働条件に差異を設ける場合」には、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、合理的な範囲内に定めなければならないとするものである。対象となる労働条件は、賃金や労働時間のみならず、労働契約の内容となっている災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生等労働者に対する一切の待遇が含まれる。
本件における4人の原告はメトロの駅販売店で販売を担当する有期契約社員で、2004~2006年の間から有期1年の契約を更新して、約7年から約10年有期雇用の契約社員として働いていた。接客などの業務内容は正社員とほとんど同じであったが、正社員に与えられる住宅手当・退職金はなく、正社員と時給制の有期契約社員の1カ月の給料や賞与の額につき大きな差があったという。
コメント
終身雇用制度が長らく機能してきたわが国の雇用体制は崩れ、有期契約社員の割合が増加し、その労働力の大きさは無視しえないものとなっている。他方、有期契約社員は「正社員と責任が違う」との理由で正社員と同様の職務を遂行しているにも関わらず、労働条件につき不合理な差別を受けてきた。正社員になれなかったり、家庭の事情で有期契約社員の道を選ばざるを得ない者もいる。そのような者も、今後不合理な労働条件に甘んじて泣き寝入りをすることのないよう、本事件がその道しるべとなることを願う。
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