過積載取締りに意欲、国土交通省が方針を策定
2014/05/12 法務相談一般, 民法・商法, その他

事案の概要
国土交通省は9日、過積載大型車両が道路の劣化に大きな影響を与えていることを考慮し、「道路の老朽化対策に向けた大型車両の通行の適正化方針」をまとめ、発表した。適正利用者に対して通行許可手続を簡素化する一方で、悪質な違反者に対しては厳罰化することにより大型車両の通行の適正化を狙う内容となっている。
方針策定の背景には、特に道路橋において全通行台数の0.3%に過ぎない車総重量20t超の違法車両が、道路劣化に対する全交通の影響の9割以上を占めているという状況があった。これに加え車両の大型化や手続きの迅速化による効率的な物流の実現の要請もあったため、適正利用者へのインセンティブも付与する形となった。
方針では自動計測装置を増設し取締りを徹底する他に、違反者への対応として常習的な違反者(措置命令4回または是正指導5回)の告発に加えて、基準の2倍以上の重量超過等の悪質な違反者は現地取締にて違法を確認した場合即時告発を実施する構えを示している。また昨年11月に改正された道路法に基づき違反者に対する報告徴収・立入検査を実施し、これを拒む者に対して告発することも盛り込んでいる。これら違反取締りに加えて、高速道路会社や全日本トラック協会等の民間とも連携して適正利用への啓発や違反者情報の共有なども実施していくこととしている。
一方で通行許可の基準等の見直しと許可審査手続の改善を示している。国際海上コンテナを積載する車両の一部で認めていた緩和措置の対象を拡大し、45フィートコンテナを輸送できるようにセミトレーラ連結車の長さ制限も緩和される。そして通行許可のオンライン申請システムの改良・普及活動を継続して行い、違反実績のない者に対して現行2年の許可期間を延長するための制度準備を行うなど、許可までの期間を短縮する手続上の方策も盛り込まれた。
コメント
これまで過積載問題については即時告発を含めた迅速で厳重な違反者への対処が行われてこなかった。おそらく行政側の取締能力の限界を超えて過積載が常習化していたためと思われるが、これに対していよいよ行政が本腰を入れて対応する形となったことになる。過積載はコンプライアンスの観点のみならず積載物の安全や事故防止といった保安上からも憂慮すべき問題だ。今後現場が取締強化の方針に追いつくかは不明であるが、事業者や荷主はこれを機に過積載がもたらすリスクを考え直す必要がありそうだ。
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