2013年の重大ニュースを振り返る②~いわゆる「アルバイトテロ」のその後~
2013/12/26   コンプライアンス, 危機管理, 民法・商法, その他

はじめに

 今年の6月から8月にかけて、飲食店などでの客やアルバイトの悪ふざけの様子を写した写真がツイッター等のSNSに相次いで投稿され、話題となった。特に、アルバイトによる投稿は大きな波紋を呼び、閉店に追い込まれる店舗が出るなど騒動は拡大した。
 
今回は、いわゆる「アルバイトテロ」について、話題となったケースと、対応策を含めたその後の状況をまとめてみた。

休業・閉店・倒産に追い込まれたケース

・ローソン高知鴨部店

【事例】
従業員がアイスクリームケースの中に入っている姿を撮影し、投稿。

【その後の経過】
7月15日、ローソン本社が同店とのフランチャイズ契約を解除し、当該従業員を解雇。あわせて社員教育の徹底を図るとともに同店の休業を発表した。これ以後、全国で同様の行為が相次いで発覚することとなった。

・ブロンコビリー足立梅島店(東京都)

【事例】
従業員が冷蔵庫に入る姿を撮影し、投稿。

【その後の経過】
8月6日に判明し、当日HP上にお詫びと対策(店内消毒、詳細な調査、従業員の再教育、店舗休業)を表明。しかし、8月12日にHP上で退店を表明。この際、当該店員を既に解雇したことも発表している。

ブロンコビリー足立梅島店退店のお知らせ(PDF)

・そば屋「泰尚」(東京都多摩市)

【事例】
アルバイトが厨房内の食器洗浄機内に体を横たわらせたり、顔を突っ込むなどの姿を撮影し、投稿。

【その後の経過】
8月9日にネット上で判明し、以後多数のクレームが寄せられた。当初店側は事実関係を否定するも、クレームがおさまらず営業停止を余儀なくされた。その後、経営再建中だったこともあるが、10月9日に東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。

参考・客による悪ふざけのケースと対処法

「アルバイトテロ」のケースは上の3つ以外にも多数発覚したが、利用客による同様のケースも多数発覚している。その中で、逮捕者が出たケースにつき紹介する。

・餃子の王将金沢片町店(石川県)

【事例】
利用客10名が従業員の制止を振り切り、店内で裸になって写真撮影し、投稿。

【対応策とその後の経過】
9月3日にHP上で事実関係を明かすとともに謝罪。同月10日、同店の退店(閉店)とこの利用客らに対する損害賠償請求等の方針を発表。さらに同月11日、これの利用客10名を業務妨害罪および公然わいせつ罪で金沢中警察署に告訴。その後、10月7日に2名が逮捕され、7名が書類送検された。

 なお、同じ王将チェーンの新潟近江店でも、店員が冷蔵庫の中に入っている姿を撮影、投稿していたことが発覚したため、9月3日に事実関係と同店の営業停止を発表。その後、利用客の強い要望を受けて、同月11日に営業を再開した。

王将金沢片町店に関するお知らせ(PDF)

コメント

 アルバイトによる悪ふざけが問題になったのは今回の騒動に限ったことではない。過去には、「テラ豚丼」騒動で謝罪した吉野家のケースが記憶に新しい。また、今回はSNSによる投稿という形で発覚したが、この手の悪ふざけは大なり小なり存在するもので、筆者に限らずその存在を耳にしたことのある方がいるのではないか。
 
今回の騒動で、閉店や休業に追い込まれた店舗が存在することから、企業としては従業員の管理体制を強化し、今後も生じうるリスクに対応すべきである。
 
具体的な再発防止策としては、多くの企業が表明したように、SNSの利用方法等に関して社員教育を徹底していくことがあげられる。また、就業規則で携帯機器の持込みを禁止することも考えられる。賃金の低さが要因とも考えられることから、賃金を上げることで労働条件を良くすることも考えられるが、これはなかなか難しいと思われる。
 
 比較的効果が高いと思われるのは、企業の信頼を損なうような行為を行わないよう誓約書を提出させることや、損害賠償請求に関する条項を就業規則に明記することである。
 
 もちろん、企業に大きな損害を与えうるリスクについては、アルバイトテロのケースに限られない。来年以降も各企業に様々な潜在的リスクへの対処が求められていくことに変わりはない。

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