【消費者庁】副業勧誘業者に対する注意喚起-副業に潜むリスク
2013/09/19 消費者取引関連法務, 民法・商法, 不正競争防止法, その他

事案の概要
消費者庁は、先月30日、副業を希望する消費者に、ウェブサイトを利用した副業を勧誘し、多額の開設費用を振り込ませていた事業者名を、消費者安全法38条1項に基づき公表し、注意喚起を行った。
給料の上昇が、なかなか見込めない中で、副業を持ちかけて、消費者を騙すビジネスが横行しているようだ。
今回消費者庁が調査、公表したのは、株式会社リミテッド(東京都八王子市)。消費者庁の調査によると、同社の手口は以下の通りである。
①まず、求人情報誌や求人サイトで、メルマガ作成のアルバイトを募集し、文章作成の報酬として、数千円を支払い、消費者の信頼を得る。
②その後、自分のウェブサイトを開設し、サイト内で特定の商品の広告文を掲載し、それを見た第三者が、商品を購入すれば、売上金の半分をもらえると勧誘する。ウェブサイト開設費用として、30万円~40万円の支払いを要求するが、開設費用の元が取れなかった場合は、全額の返金を保証し安心感を与える。
③会社側からは1度、約2万が報酬として支払われるが、その後、報酬の支払いは途絶える。
また、リミテッド社は、消費者が報酬の不払いについて問い合わせると、ウェブサイトにアクセスが集中して商品が売れないため、報酬を支払えないと主張し、サーバー容量拡大の追加契約を持ちかけ、200万円ほどの支払いを要求していたという。
尚、消費者が、全額返金保証に基づいて返金を申し出ても、リミテッドから約束通り
開設費用の全額を返金された事例はないとの事である。
コメント
ウェブを開けば、、「副業で月10万円」、「在宅で副業」、「簡単に稼げる」など魅力的な広告で溢れている。勿論、全てが悪質な業者ばかりではないだろうが、怪しげなものも多いのが事実である。世の中、そんなにウマイ話はないと分かっているが、つい手を出してしまうのが人間というものである。経済状況が悪いなかで、少しでも生活の足しになればと思い、副業を始める人は多いであろう。
上記事例はそうした、心情につけこんで、不法に利益を得ようとしたものであるといえる。
もっとも、消費者側の自己防衛も必要である。副業を認める企業も増えてきてはいるが、副業を容認していない企業のほうが多いのが実情である。
会社の規定に違反して副業を行えば、お金を騙し取られること以上の不利益を被るおそれがある。
副業を検討する際には、こうしたリスクも十分考慮に入れる必要もある。
参考資料
日航インターナショナルでは、申し出があれば以下の条件の下に、副業も認めている。
(1)会社における本業の遂行に支障を来したり会社に迷惑をかけたりしないこと
(2)法律・条例・規則および公序良俗に反しないこと
(3)社外活動における言動などにより会社の名誉を傷つけないこと
(4)会社の資産(知的財産も含む)を無断で直接的に利用しないこと
また、競合他社で働く、本業の専門知識や営業ノウハウを活かして副業をした場合は、不正競争防止法違反のおそれがあり、業務の差止めや、損害賠償請求の対象となりうる。
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