株式会社ブリヂストン 中国メーカーに対する商標権侵害訴訟に勝訴
2013/02/04 知財・ライセンス, 商標関連, 商標法, メーカー

事案の概要
株式会社ブリヂストン(以下、ブリヂストン)は、広州市宝力輪胎有限公司(以下、宝力タイヤ)が当社の登録商標である「BRIDGESTONE」に類似した「GEMSTONE」を使用してタイヤを生産・販売した行為を、商標権侵害に該当するとして、2010年3月中国 天津市浜海新区人民法院に提訴した。
一審でブリヂストンは勝訴したが、宝力タイヤは天津市第2中級人民法院に控訴。
2013年1月控訴が棄却されたことでブリヂストンの勝訴判決が確定した。
これに伴い、宝力タイヤに対して「GEMSTONE」を表示したタイヤの生産・販売の停止及び損害賠償金の支払いなどが命じられた。
コメント
中国でのコピー問題は、以前より沈静化したのかのように見えたが、今回の例のように日本メーカーの戦いはまだまだ終わってはないように見える。
新規海外市場への進出も今後増えることも考慮すると、商標権侵害に対する対策は今後も必要になってくることだろう。
ところで、商標権侵害と一言で言っても、その実態を掴むことは容易なことではない。
そこで、同侵害については以下のような段階的な判断が必要になってくるのではないかと思う。
1、商標の侵害有無の判断
相手方の使用する商標がにこちらの登録商標と全く同一である等、侵害の事実が明らかな事例は少ない。
商標権侵害の有無が明らかでない場合、その侵害の有無は、当該商標の解釈の問題に移ることになる。
そのとき、商標権者は商標の権利範囲を広く解釈しようとし、侵害側は権利範囲を逆に狭く解釈しようとする。
そのため、商標権を侵害するかの正確な判断は困難を伴うこともしばしばである。
そこで、まずは手持ちの情報を整理し、必要な情報を入手。できるだけ客観的な見地から事実関係を法的に解析する必要があるだろう。
このとき、企業法務担当者はその力量を大きく問われることになるだろう。
2、訴訟提起の段階
次に、商標権侵害が疑いないとの確信を得た場合、法的手段に訴えることが考えられる。
この場合、特に注意すべきは、訴訟の終着地点を最初に明らかにしておくことである。
なぜなら、終着地点を定めず感情に任せて活動すれば、抜き差しならない状況となる場合もありうるからである。
企業法務担当者としては、商標権侵害を止めさせることで足りるのか、過去につき損害賠償を取る必要があるのかも含め、弁護士などと事前に十分に協議する必要があるだろう。
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