広島地裁、公務とうつ病を原因とする自殺との因果関係を認める
2013/01/31 労務法務, 労働法全般, その他

事案の概要
教諭は、1999年4月に同高校に赴任以来、生徒から「死ね」「学校に来るな」などの暴言を受け、生徒から胸倉をつかまれたりした。これに加え、指導方針をめぐる教員間の対立が発生し、同高校の方針に反発した同僚が自殺したこと等の出来事が重なり、同教諭は2001年5月にうつ病を発症し、同年12月に自殺した。
同教諭の妻は、同基金同支部に公務災害の認定を求めたが、2007年12月、同支部は、同教諭の自殺と学校での勤務との間には因果関係がないとして、公務外と認定して請求を却下していた。
コメント
地方公務員災害補償法31条は、「職員が公務上死亡した場合」に災害補償を実施すべきことを定めている。「職員が公務上死亡した場合」とは、職員が公務に基づく負傷又は疾病に起因して死亡した場合であり、公務と死亡の間に「相当因果関係」がある場合でなければならないというのが最高裁判例である。そして、公務員が自殺した場合,死亡に至るにつき当該公務員の故意が介在しているため、原則として、公務と自殺との間に相当因果関係(公務起因性)は認められないとされる。
もっとも、近年、職場における過労やストレスによるうつ病発症やこれを原因とする自殺が社会問題化している。本判決は、遺族から、当時の同僚や在校生に対するアンケート結果を証拠として提出したこともあって、例外的に因果関係を認められた。このような事件を繰り返さないためにも、事前の対応策が求められている。
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