ビックカメラ、位置情報などからタイムリーなクーポンを発行 実証実験を開始
2012/11/14 法務相談一般, 民法・商法, その他

事案の概要
ビックカメラと野村総合研究所は、11月14日、スマートフォンを活用し、顧客の購入履歴、位置情報、天候などに応じたクーポンを自動的に配信するO2Oの実証実験を行うと発表した。
実験期間は11月19日から2013年1月31日まで。
池袋本店、池袋本店パソコン館、池袋西口店の3店舗を対象に実施される。
O2Oとは、「Online to Offline」の略で、クーポンなどのネット(Online)を利用して配信される情報により、顧客を実店舗(Offline)に誘導する施策。
今回の実験を通じて、顧客に最適なクーポンを最適なタイミングで配信するビジネス・モデルを検証し、ビックポイントカードの価値向上を追求することが目的だ。
実験に先立ち、11月14日から参加者の募集が開始される。
スマートフォンアプリ「ビック・スマートクーポン」を活用し、参加登録した人のスマートフォンに、購入履歴、位置情報、天候などの状況に応じてクーポンを配信する。
たとえば、位置情報を活用して、特定エリアに5分以上滞在している人に限定でクーポンを発行したり、翌日の降水確率に合わせてお得なクーポンを発行することなどができるという。
コメント
このような位置情報などを活用したアプリは、ショップの販売促進につながるだけでなく、利用客にとっても有意義な買い物を可能にするものである。
しかし、位置情報の取得が濫用的に行われると、個人のプライバシー侵害につながるおそれがある。
そもそも、携帯端末の位置情報は、かつてはNTTドコモやKDDIといった通信事業者しか把握できず、通信事業者は、総務省が定めた「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」に沿って、「通信の秘密に準じる」とされる位置情報の厳密な取り扱いを徹底してきた。
その上で、位置情報を活用してアプリを開発するコンテンツプロバイダーを審査し、ユーザーに位置情報を取得する旨を明示すること等を指示していた。
しかし、スマホの開発によって、上記のような厳格なルートを経由しなくても、コンテンツプロバイダーが容易にユーザーの位置情報を得られるようになった。
今回の実験で用いられるアプリは、参加希望者自らが同意した上で位置情報を提供する安全なものだが、いまだ人々には、位置情報という個人情報に対する意識は低いといえる。
「彼氏の位置を特定できる」というアプリ「カレログ」が問題となったことも記憶に新しく、本人の同意なくしてこのようなアプリをインストールした場合、不正指令電磁的記録供用罪の適用を受けるおそれも指摘されている。
よって、今後はこのような位置情報に対する意識を高め、「ロケハラ」を防ぐため、信用できるアプリのみをインストールするなどの自衛策を取ることが求められるだろう。
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