トヨタが和解~2010年に起きたリコール騒動に幕~
2012/11/14 コンプライアンス, 民法・商法, メーカー
事案の概要
13日、トヨタ自動車は、2010年に同社株の急落につながった意図せぬ急加速問題やリコールに伴い、安全性や品質の問題に関する適切な情報開示を怠ったとして同社を相手取り訴えていた米国の株主らと、2550万ドル(約20億3800万円)の和解金を支払うことで合意した。
正式に和解するには、米ロサンゼルス地方裁判所の担当判事の承認が必要。その承認が得られれば、2年前に米国で大きな問題となったトヨタ車のリコール問題を受けた訴訟が決着することになる。
トヨタ株は急加速問題でのリコールが原因で2010年2月1日までの 7営業日に18%の急落した。時価総額にして2兆5500億円が失われた計算になる。株主らはトヨタが2000年には既に問題を認識していたにもかかわらず故意に隠蔽したと主張していた。
裁判所資料によれば、トヨタは不正や責任は認めないものの訴訟が長期化しコストがかさむことを避けるために和解に合意することに決めた模様。
コメント
このトヨタ自動車の事例のように、株主からの責任追及のリスクは常に存在する。アメリカほどではないかもしれないが、今後日本国内でも株主による訴訟は増える可能性は十分あるといえよう。法務担当としては、会社全体のコンプライアンス機能を強化することにより、株主による責任追及のリスクの低減を図るしかないのであろうか。少しでもリスクがある場合には、そのリスクが現実化した場合について検証することが求められよう。
新着情報
- セミナー
- 原 武之弁護士
- 並木 亜沙子弁護士
- 【リアル】人事・労務管理(概要編)-法務担当者向け 法務基礎シリーズ-
- NEW
- 2024/05/09
- 15:30~17:00
- 弁護士
- 野口 大弁護士
- 野口&パートナーズ法律事務所
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満1-2-5 大阪JAビル12階
- まとめ
- 近年の賃金不払いトラブルまとめ ~日本相撲協会、スシローなど~2024.2.26
- 昨年から今年にかけ、企業や団体が賃金不払いで勧告を受けたり、書類送検される事案が複数確認されて...
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】今更聞けない!? 改正電気通信事業法とウェブサービス
- 視聴時間53分
- 弁護士
- 並木 亜沙子弁護士
- NEW
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- 業務効率化
- Araxis Merge 資料請求ページ
- 解説動画
- 斎藤 誠(三井住友信託銀行株式会社 ガバナンスコンサルティング部 部長(法務管掌))
- 斉藤 航(株式会社ブイキューブ バーチャル株主総会プロダクトマーケティングマネージャー)
- 【オンライン】電子提供制度下の株主総会振返りとバーチャル株主総会の挑戦 ~インタラクティブなバーチャル株主総会とは~
- 視聴時間1時間8分
- ニュース
- 幻の「間人ガニ」を産地偽装、不正競争防止法違反容疑で逮捕2024.4.12
- 別産地のカニを、“幻のカニ”と呼ばれる「間人ガニ」と偽り販売していたなどとして、水産会社の役員...
- 業務効率化
- LegalForce公式資料ダウンロード