私的録画補償金訴訟、東芝の勝訴確定
2012/11/12 知財・ライセンス, 著作権法, メーカー

事案の概要
私的録画補償金管理協会(SARVH)が、デジタル放送専用レコーダーの補償金を支払わなかった東芝に対し補償金約1億4千万円の支払いを求めた訴訟において、9日、最高裁は協会側の上告を退け、東芝側勝訴が確定した。なお、私的録画補償金とは、DVDレコーダーなどの売上金の一部を、テレビ番組の著作権者などに還元する制度である。
東芝は、本件で問題となった複製回数を制限する機能があるデジタル放送専用レコーダーは、課金対象になるか明確でなかったため、補償金を消費者から徴収できないと判断し、補償金額を上乗せせずに販売した。しかし協会は、東芝に対し補償金の支払いを求め、さらに提訴に至っていた。
本件における争点は二点あり、デジタル放送専用録画機は補償金制度の対象になるかと、補償金の支払いに法的な強制力はあるかである。一審は、デジタル放送専用録画機は補償金制度の対象になるが、これはあくまでメーカーの協力であり法的な拘束力はないとし、二審は、制度はアナログ放送が前提のもので、そもそもデジタル放送専用録画機は補償金制度の対象にはならないとしていた。
コメント
著作権の保護や適切な利益還元がなされなければ、コンテンツ産業は衰退してしまう。しかし、本件の補償金は、消費者としてはテレビ番組を録画し視聴することに対価を払っていることになり、
何か釈然としないものがあることも否めない。東芝は、複製回数制限という形で著作権保護を図り、
さらされている価格競争において補償金を消費者に課さないようにするという形で、折衷案を採ったものである。
コンテンツ産業が繁栄するような著作権保護に繋がり、課金される側にも納得のいく新たなシステムの構築が望まれる。
新着情報

- 解説動画
奥村友宏 氏(LegalOn Technologies 執行役員、法務開発責任者、弁護士)
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- [アーカイブ]”法務キャリア”の明暗を分ける!5年後に向けて必要なスキル・マインド・経験
- 終了
- 視聴時間1時間27分

- ニュース
- 建設資材会社が賃金不払いで書類送検、労働法の賃金規定について2025.8.19
- NEW
- 従業員に9ヶ月分の賃金を支払っていなかったとして、札幌市の建設資材会社とその取締役が札幌区検察...

- 解説動画
加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間

- まとめ
- 中国:AI生成画像の著作権侵害を認めた初の判決~その概要と文化庁「考え方」との比較~2024.4.3
- 「生成AIにより他人著作物の類似物が生成された場合に著作権侵害が認められるか」。この問題に関し...
- 弁護士
- 境 孝也弁護士
- さかい総合法律事務所
- 〒105-0004
東京都港区新橋3-9-10 天翔新橋ビル6階

- セミナー
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【オンライン】新サービス「MNTSQ AI契約アシスタント」紹介セミナー
- 終了
- 2025/04/22
- 14:00~14:30
- 弁護士
- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード

- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード