虚偽証明で医薬品販売者試験を不正受験か 西友従業員200人超
2012/11/05 薬事法務, 民法・商法, その他

事案の概要
薬剤師でなくても一部の一般用医薬品(大衆薬)が販売できる「登録販売者」試験で、大手スーパーの西友(東京)が、受験に必要な実務経験のない大量の従業員に、業務内容や従事時間を偽った実務経験証明書を発行していた疑いがあることが3日、厚生労働省などへの取材で分かった。
厚労省などによると、虚偽の証明書で受験した疑いがあるのは、過去4年間に少なくとも19都道府
県で200人余りに上る。中には、既に合格して西友の店舗で医薬品を販売していた従業員もいたという。
試験を実施した東京都などの関係自治体によると、西友は証明書に虚偽があったことを認める説明をしている。従事時間が水増しされていたり、衣料品や食品の売り場で働く従業員も、要件を満たす実務経験があることにしていた。医薬品販売の経験が全くないケースもあったという。
西友は自治体に対し「証明書は各店の医薬品販売責任者が記載して東京本社に送付し、本社で代表者印を押していた」と説明。「責任者の認識がずれていた。本社は証明書の内容に間違いはないだろうと(虚偽記載に)気付かず発行していた」としているという。
コメント
登録販売者試験は都道府県が実施し、受験資格は、医薬品販売に1年間、毎月80時間以上従事した者などと定められ、勤務先が発行した実務経験証明書を事前に提出する。
過去にも約30人の雑貨販売従業員らの不正受験が発覚した例などはあるが、今回は平成21年に登録販売者の制度が新設されて以降、最大規模のケースとみられる。
大衆薬でも、販売時に十分な説明が必要とされる場合が多い。このような不正は、資格制度の根幹を揺るがすことになる。後に続く不正企業が現れないためにも、厳格に対処されるべきだろう。
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